就寝
メリンに案内され無事自分の部屋についた。お休みをメリンに言い部屋の中に入る。思っていたより疲れていたようでどっと眠気が襲ってきた。俺はベッドに飛び込むとそのままうつらうつらとしてしまう。何とか体を起こし枕まで這い頭をのせるととても気持ちが良い。そこで俺は力尽きた。
「ねえドロ。起きてドロ。」
「う、うん?あれ?メリンどうした?」
ゆさゆさと揺らされ起きる。いつもなら寝ていてもすぐ気づくのにメリンがいつ入って来たのか全く気づかなかった。
「そ、その一緒に寝てもいい?1人じゃ寒くて。」
ラッドタウンにいた時も湿気のせいか随分と部屋がじめっとしていて寒かった。夜になると流石に城も人がいないせいか肌寒い。
「い、いいけど。」
まだ目が暗闇になれないせいでメリンの輪郭しかわからないが嬉しそうなのはわかった。
「やった。ありがとうドロ!」
そう言うといそいそと枕を置きメリンは毛布をかぶる。
「おやすみなさい。ドロ。」
「あ、ああ。おやすみメリン。」
言うか言わないかでメリンからはスースーと静かな寝息が聞こえてきた。メリンはメリンで疲れていたようだ。毛布1枚で寒いのか少し震えている気がするので置いてある毛布を1枚かけてやる。俺は自分が使う分の毛布を手に取りかける。そしてもう一度枕に頭を置くとすっと瞼が閉じていった。
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暖かいな。目を覚まして第一に思ったことだ。目を開けずぬくぬくしていると顔に毛布とは違う何かが触れた。驚いて目を開くと若干視界はぼやけるが見間違いようのない暗い赤色の髪が目の前にある。どうやらこっちの布団にメリンは入り込んでいたようだ。
「どうりで暖かいわけだ。」
俺は苦笑すると丸まっているメリンを起こす。
「メリン、メリン。朝だぞ。起きろ。」
トントンと肩を叩いても起きない。
「メリン起きろって。」
少し乱暴に揺すると「ううう」とうめき声が上がる。
「起きないな。」
ふと特徴的な赤い髪が目に入る。ちょっと手で梳くとサラサラとしていてくすぐったい。結っていたせいで気が付かなかったがかなり髪は長い。広がる髪は寝ぼけていたら血に見えそうだ。髪に触っても全くメリンは起きない。むしろ髪を梳いていると逆に気持ちようさそうな寝息が聞こえる。何となく頭に手を置いて撫でるとビクッとメリンが動く。
「起きたか?メリン。」
もぞもぞと動いて何やらぶつぶつ言っている。そしてやっと体をメリンは起き上げた。
「メリンおはよ………う。」
俺は起きたメリンを見て固まってしまう。毛布に顔を突っ込む体勢で寝ていたから気づかなかったが眼鏡をかけないで眠ったようだ。そのおかげでやっと顔を見ることができた。髪と同じ色の瞳が猫を思わせる。眼鏡の大きさで分からなかったが顔は小さく人形のようだ。メリンは寝ぼけ眼をこすり
「うう、ドロ、おはよ、う」
欠伸をしながら言ったので言葉が途切れた。
「良く眠れたか?」
「うん。久しぶりにこんなに寝た気がする。」
そう言うとまた大きく欠伸をする。
「ねえねえドロ。二度寝しよう?」
「朝日出てるぞ。」
「じゃあ少しゴロゴロするだけでいいからお願い。」
「はあ。まあ、たまにはいいか。」
俺は苦笑しながら言う。
「それにしてもあの眼鏡とると大分印象変わるな。」
俺はメリンの顔をまじまじと見つめる。
「ふ?そお?」
メリンは欠伸を噛み殺しながら首をかしげる。
「ああ。可愛いよ。」
素直な感想を言うと
「へ?なっ!何言ってるの!当たり前じゃ、じゃない。」
とメリンは青白い頬を紅潮させて言う。
「いや言ってることと表情が全く逆だろ。」
「そ、そんなことないわよ!」
更に顔を紅潮させて言うので説得力がない。
「どうだろうな。」
ニヤけて言ったらメリンは顔を背けベッドから降りる。昨日は寒くて震えてると思ったがそれもそのはず。
薄い白い生地のネグリジェから青白い四肢が伸びている。今も日が昇って間もないのでまだ寒い。そのため敷物が敷かれていようが暖炉も焚いていなかったら当然冷たい。メリンは地面の冷たさにと驚く。
俺はその姿を見て少し笑ってしまう。
「笑わないでよ!」
「悪いついな。いきなりどうしたんだ?二度寝するんじゃなかったのか?」
「もう目がさめちゃったから起きるわ。……あんなこと言われてすぐ隣で寝れるわけないじゃない。」
「なんか言ったか?」
「なんでもないわ。」
メリンはブルっと震え両手で二の腕を擦る。
「ほら毛布かぶって行けよ。寒いだろ。」
俺は2枚毛布を広げメリンにかける。
「う、あ、ありがとう。」
「なんなら一緒についてくか?」
「それはだめ!」
メリンはそう言うと走り去ってしまった。




