城の探索
お久しぶりです。いつの間にか1ヶ月たってました。今回短いです。
手を引かれ連れてこられた部屋の扉は自分の身長の倍くらいの大きさで扉なのに見上げてしまう。俺のそんな姿を見てか自慢気に胸を張りメリンは扉に手を掛ける。
「客室よ。ここを自由に使っていいわ。」
「自由にって広くないか?」
メリンが開けた客室を覗き込むと恐ろしい広さだ。城の中もだが床一面が朱色の敷物が敷かれ窓には白いカーテンがかかっている。ベッドはまさかの天蓋がつき紫色の布が四方の柱に巻かれている。生まれてこの方こんなベッドは使ったことはない。更に枕もシーツもシミひとつなく置かれている3つの毛布はどれも暖かそうだ。開いた口が塞がらない。
「どう?良い部屋でしょう?」
そこには悲しい表情も寂しげな表情もなくただただ自慢してふんぞり返っているメリンがいた。
「ああ、良い部屋だな。本当に使って良いのか?」
「ええ、勿論。感謝することね。」
どうだ、まいったかと言った体だ。俺はそんなメリンに苦笑しつつ
「ありがとう。」
と返した。
その後は広い部屋でゆっくり高価そうな物の品定めをしようと思っていたらメリンに「城の中を案内をしてあげる」と言われ城の中を見学することになった。断ろうとも思ったが断れそうにない雰囲気だった。
「ここが客室でこっちも客室。それとこっちも客室でここも客室ね。あとあそこに見えるところと今から見るところも客室よ。」
さっきから客室しか言っていない。一体客室はどれくらいあるんだ?実際自分に割り当てられた客室も正直メリンに案内されなければわかりそうもない。階段を何回か上って曲がってそのまた階段を上ってと外装と内装は大きく違うようだ。明らかに上った階段の長さと城の大きさが合っていない気がする。
「どうしたの?ドロ?」
返事をしなかったのでメリンが振り向く。眼鏡でわかりづらいが怪訝な顔をしているのだろう。
「ああ、なんでもない。」
「そう。」
「それにしても客室の内装1部屋ずつ違うんだな。びっくりだ。」
「いいでしょう?お客さんを案内して自分の気に入った客室に入ってもらうの。本当は一族の人達が泊まる場所なんだけどね。」
メリンはちょっと悲しそうに笑う。
「他の一族の人達は?」
聞いてはいけない気はするのに聞いてしまった。
「いなくなっちゃった。」
そう言うとメリンは前を向いてしまう。これ以上は聞いてほしくないってことだろう。俺もこれ以上は詮索しないことにした。それでも客室に案内された時から繋いでいる手はそのまま握られている。微かに震えている冷たい手をぎゅっと優しく握った。




