ニンジンの国
もう11月ですね。風邪を引かないよう注意していきたいですね。
ラビドーとマッシャーが消えた後俺達は一旦森に戻ることにした。
丁度着いた頃には昼頃だったので昼食をとることにした。
「これがジャガイモパイ。こっちがジャガイモサラダ、それと飲み物がジャガイーラ。」
「ジャガイーラ?何だそれ。」
「料理で使わなかったジャガイモの皮を煮た飲み物なんだって。ピリッと舌が痺れるのが癖になるらしいよ。
」
舌が痺れるって毒のせいじゃ。そもそもジャガイモがジャガイモを食べるって共食いになってないか?俺はこの疑問を飲み込み一先ず食べることにした。ナナシは食べなくていいそうなので食べるのは俺とキャリルだ。
「にしても便利だなあ。動力源は何なんだ?」
「うーん良く分からないんだよね。コアだか核だか源になる歯車のおかげで動いてるってのは聞いたけど。」
「もしその歯車が無くなったら?」
「ん?動かなくなるよ。」
当たり前のように言っているが人事ではない。
「大丈夫だよ。この歯車が無くなるって言ったら皆で言う心臓が無くなるのと同じことだからさ。
そんなに皆と変わってる訳じゃないよ。せいぜい内包しているのが機械ってことくらいかな。」
ナナシは胸に手を当てそう言った。ようするにそこまで変わらないということらしい。安心なのか?と言われればそういうわけではないのだがまあ機械も人も致命傷は変わらないようだ。
「次はどうするか。」
「どうしようね。」
キャリルはジャガイモパイで口をもごもごさせながら言う。
「じゃあ、ニンジンの国に行ってみるか。」
ブーとキャリルがジャガラを吹く。
「え?何で?」
「何でってそりゃあキャリルの両親が心配しているだろうから。」
そう言うとしょんぼりとキャリルが項垂れる。
「それに見たいものは見ただろ?」
俺の言葉にキャリルは頷く。そう、もう目的は達成したのだ。ジャガイモの国を見る事が出来たし城も見れた。結婚相手?だと思われる奴にも会えた。もう充分だろう。
「自分では言えなかったけどそうだよね。帰らないとだよね。」
キャリルは口をへの字に曲げ嫌そうだ。
「俺達も付いてくからさ。丁度いいからニンジンの国も見ていこうかと思うし。な、ナナシ。」
「うん。別に僕はいいよ。」
こうは言っているがカルートッフェッリ王国に行きたくないのは事実だ。ラビドーの最後の言葉、警戒しながら歩くにも危険が付きまとうし何よりキャリルを狙われた場合俺だけで対応できるか怪しい。ナナシはまず戦えるか戦えないかも分からないので戦力として数えるわけにもいかない。そう考えると必然的にカルートッフェッリ王国に近づかない方が安全だと考えるのが妥当だ。
「あっ。」
「ん?なんだ?あっ、て。」
「式の準備あるの忘れてた!」
式?ああ〜3日後の……。
「じゃあさっさと行くぞ。」
「気まずいなあ。」
はあっとキャリルは溜息を吐くがまあしょうがないだろう。
そんなわけで昼食を手早く済ませキャッローツ王国に向かうことにした。
道はキャリルが知っているのでキャリルに付いて行く事になった。どちらかというと自分達のいる場所はカルートッフェッリ王国よりキャッローツ王国に近いようだ。さほど森を抜けるのに時間はかからないらしい。
歩いて5分くらいで森を抜けることが出来た。その先には広大な畑が広がっている。
「広いな。」
「そうでしょ。ここら一体の畑は私の国のなんだ。」
畑の真ん中に大きな城が見える。あそこがキャリルの国か。ここからだと地味に遠いな。
森を抜けるのにそこまで掛からなかったが城までは結構掛かりそうだ。
他愛もない話をしたり畑について聞いたり、眺めたり、覗きながら城に向かうと、日はもう赤く傾いていた。
「到着〜。」
キャリルが嬉しそうに言う。これまた大きな城門が目の前に聳えている。
キャリルが近づくと大慌てで兵隊が近づいてきて何やら話している。もう一人の兵も近寄ってきていたがなんと泣いているではないか。その兵をキャリルが宥め俺とナナシを指差してから話す。
するとキャリルと話していた兵が門に近寄り門を開ける。
「ようこそ。キャッローツ王国へ。」
そう笑顔でキャリルが言った。
『キャッローツ王国〜ニンジン達の楽園〜』
『〜豊潤な地に恵まれた国〜』




