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ドロボウは夢叶える為世界を旅する(過去編)  作者: フロッグ
2幕 4つ刃者
42/83

翌朝

ちょっと書き方変えたんですが読みやすいでしょうか?

そして次の日。

俺はナナシに揺すられ目を覚ました。俺が目を覚ますのに気づくと今度はキャリルを起こしにいく。

キャリルも目を覚ますと今日の予定をざっと説明する。ナナシが言うには30分くらい掛かるらしい。

日はまだ高い訳では無いため薄暗い。森には薄っすら白い霧が立ち込め木々の葉に水滴を残す。

俺とナナシは昨日の服装では色々とまずい(主に人がいた場合悲鳴を上げられかねない)ので魔ペットの

中から予備の服を取り出した。


「異国間が凄いねこの服。」


ナナシは着用した服を見て言う。


「まあ、な。有り合わせだから我慢してくれ。」


俺も着替え、ナナシと同様の異国の服に身を包む。

まあどこの国に行っても大抵は異国風になってしまうのだが。

着替えた俺達を見てキャリルは何故か感嘆のような声を上げる。


「2人とも似合うね。なんか絵になるっていうか。」


と若干顔を赤らめ言う。

まあ露出が目立つ服ではあるよな。

つい最近古物商に立ち寄った際異国の服と書かれ売りだされていたのだ。

後で何かに使えるかと思って買ったのだが役に立った。

どうやら何処かの砂漠の王国で着られている普段着らしくその割に露出が多い。

そのせいで寒い。ナナシは平然としているが早朝という事もあり気温が低く吐く息は白い。

それにこの服、腹と腕に何も纏う物がないので余計に寒い。

動けば体が温まるので早く歩きたい。


「そろそろ歩こう。寒い。」


「そうだね。ちょっと寒いし30分くらい掛かるからそろそろ出発しよう。」


ナナシはペンのキャップを開け目印に沿って歩き出す。

歩いて30分くらい経った頃俺達は高い土色の壁に行き着いた。


「こっちから入れるよ。」


ナナシは壁沿いに歩く。俺とキャリルはそれに続く。魔ペットはというと俺の背中にひっついて自分で歩こうとしない。主人主人言ってる相手に歩かせるのはどうなんだと思うが何も言うまい。

壁の角に突き当たり曲がる。すると開けた場所に出た。

開けた場所から壁を見ると大きな門が口を開けていた。

壁は中々高かったが中が大きいということでは無いらしい。

これくらいの大きさの国ならある程度1日で見ることが出来そうだ。

ナナシはずんずん進み門の中に入る。

俺とキャリルは慌ててナナシの後を追いかける。


「おお!!ほんとにジャガイモが歩いてる!」


「ホントだ!ここがカルートッフェッリ王国。」


俺とキャリルは各々感想を述べる。

まだ早いせいか歩いているジャガイモはまばらだ。

どうやら露店もあったらしい。どんな物があるのか見てみたいものだ。


「?」


なんだか歩いているジャガイモの様子がおかしい。

いくら異国の者だからといってあの不審な者を見る目。

これはナナシには聞いていなかった。


「ナナシ。なんか俺達を見る目がおかしい気がするんだが?昨日もこんな感じだったか?」


俺はナナシに問う。


「ううん。違う。昨日はこんな目で見られなかったよ。それもポーティトのおかげだったのかな?

ちょっと聞いてくるから待ってて。」


ナナシはこちらを不審な者を見る目で見てくるジャガイモに話を聞きに行った。

よく見るとそのジャガイモはナナシの腰くらいの大きさがあり食べる気は全くもって無いが食べごたえがありそうだなと内心思う。

そんなどうでもいいことを考えていると事情を聞き終えたのかこっちに小走りで戻って来る。

戻ってきたナナシの表情は険しい。


「なんだかジャガイモ狩りというのがこの頃起きてるみたい。先日までは誰がやっていたか

正体も分からなかったらしいんだけど、人族だって事がつい昨日分かったみたいで。それで僕達の事を不審に思ったみたい。」


なるほど。概ね理解は出来た。どうやら俺達以外に人がいるらしい。実際種族は分からないが。


「それで?ジャガイモ狩りって?」


「それが見つかったジャガイモ達はみんな顔が潰されて、その潰し方が酷いものらしくて。

それにジャガイモが相次いで被害に遭うものだからジャガイモ狩りって呼ばれてるみたい。」


そんな事起きてたらそりゃ不審な目で見られるよな。次に襲われるかも知れないのだし。


「それで、今どうなってんだ?」


「国の警備兵が探してるって。でも警備兵もジャガイモ狩りの犠牲になったんだって。それでジャガイモ達は怖がってるんだ。次は自分じゃないかって。」


「そういうことか。ナナシ、昨日は人なんて見てないだろ?」


「うん。見てないよ。見てない………。」


ナナシは急に静かになった。そして何かを思い出したのか顔を上げる。だがその顔色は蒼白で何が起きたのか分からない。


「どうした?ナナシ?」


「いた……。そう…いた。誰かと話してた。丁度そう丁度僕がいなくなってから。

誰と?そんな、そんなわけない。」


ナナシはダッシュしさっき話を聞いたジャガイモに駆け寄り何かを聞いている。俺とキャリルは顔を見合わせる。するとまたナナシは戻ってきた。顔を苦痛そうに歪めて。


「ごめん、少し寄りたい所があるんだ。先に見て回ってて。」


「いいよ、一緒に行く。」


「ああ、この国なら1日で見れそうだしな。」


「そう。じゃあ着いてきて。」


ナナシはそう言うとさっきまでの足取りはどうしたのかとぼとぼと歩みを進める。

俺とキャリルは首を傾げその後を付いて行く。


「何聞いたんだ?ナナシ。」


「私も気になる。」


「付いてくれば分かるよ。」


そう言って町の中を進んでいく。

大分奥まで進むと人気の無い場所に小さな教会のような建物が建っている。

ナナシはその教会に用があるようだ。そういえばポーティトってジャガイモとご飯食べる約束してたな。

じゃあ教会が待ち合わせ場所なのか?でもならなぜ?なぜナナシは沈んだ表情をして歩いてる。

俺は嫌な予感がした。ある意味で待ち合わせ場所なのかもしれない。

教会の扉は開いていた。教会の中には幾重も土の台に大小様々な物が置いてありその物には布が被せられている。

俺はその布の下を見てはいけない気がした。だがナナシは探し物を探し当てるかのように真っ直ぐ隅の小さい物の方へ。

そしてナナシはその台の下に蹲ると静かに泣いていた。


「ナナシ?どうしたの?」


キャリルが声を掛ける。ナナシは返事をしない。暫くそうしているとナナシがポツリと言った。


「昨日僕は人を見たんだ。そしてその人が誰かと話して歩き去ったのを見てた。見てたんだ。

だけど僕は気づかなかった。その時誰が話しかけられていたかなんて。」


悔しそうに拳を握り地面に振り下ろす。


「僕がもっと見ていれば、もっと見ていれば。僕がもっと近くに入れば。もっと長く時間を掛けていれば。こんな事にはならなかったかも知れないのに!!」


ナナシは涙声で言う。キャリルは困惑した顔で俺を見る。俺は嫌な予感が的中したと思った。


「ナナシの目の前の布の下には………ポーティトがいるんだな?」


俺が言うとナナシは黙って頷く。


「そんな。」


キャリルは信じられないといった表情をしている。ナナシは言った。


「絶対に許さない。僕が必ずこの手で。ポーティトをこんなにした奴を分解してやる!!」


ナナシは立ち上がり涙を拭った。

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