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ドロボウは夢叶える為世界を旅する(過去編)  作者: フロッグ
2幕 4つ刃者
36/83

ジャガイモの国

 なんて光景だろう。目の前を歩くのは人じゃない、ジャガイモだ。歩いているジャガイモは、普通のジャガイモに手と足を生やして顔があるような姿をしている。大小様々なジャガイモはそこら中にいて人をジャガイモに置き換えたような感じだ。ボーッとジャガイモ達を眺めていると、ふいにズボンの裾を引っ張られたので引っ張られた先を見ると先刻の小さいジャガイモがいた。


「大丈夫?お兄さん。ボーッとしてるけど。そんなにここが珍しい?」


「他の人には珍しくないかも知れないけど僕にとっては珍しいよ。初めて外の世界を見るから。」


「なるほど。お兄さんこの国は初めてなんだね。ここはカルートッフェッリ王国。ジャガイモ王・ジャガフェッリ王が王の立派な王国だよ。」


と小さいジャガイモは胸を張っているのだと思われるがどこから顔でどこまで胴体なのか分からないので胸を張っているのか分からない。


「へー。王国なんだ。この場所はなんて言えば良いのかな?お店もあるようだけど。」


歩くジャガイモ達に気を取られて気づかなかったが、店らしきものがちらほら道端にある。


「城下町かな。ここら一体。ここは貧乏な国なので治安はあまり良くないから気をつけてね。グレジャガに絡まれると厄介だし。」


「グレジャガ?」


「素行の悪いジャガイモの事だよ。」


「そ、そんなジャガイモもいるんだ。」


僕が関心に似た感情を持っていると小さいジャガイモは話題を変えた。


「ところでお兄さん。この国のお金は持ってる?」


重要な話に。


「え……持ってないです。」


「そっか。じゃあ他の国の通貨は?」


「えーとこれくらいしか。」


とポケットからギアシュタットの通貨であった銀と銅の歯車を取り出す。


「これが通過だったの?珍しいね。それに価値が高そうだ。まずはそれを換金しよっか。」


小さいジャガイモは僕の前を歩き先導する。少し歩くと目の前に一軒の茶色い店が建っていた。


「あそこだよ。」


茶色い店を小さいジャガイモは指差す。そして店の前まで歩いて行く。僕も後に付いていき店の前で止まった。遠くから見ると綺麗に見えたが建物は相当ガタが来ており近くで見ると汚れや建物の塗装が剥げている。


「なんだかボロボロだなあ。」


「なんか言った?」


「ううん、なんでもない!」


「じゃあ入ろっか。」


こんなところで換金出来るのか心配だが小さいジャガイモを信じるしかない。僕は小さいジャガイモに続き店の中に入る。中は薄暗くそしてカビ臭い。ジャガイモ達はカビるのだろうか?恐ろしい考えを振り払い店内を見渡す。


「店の人…じゃなかった、ジャガイモはどこにいるの?」


「待ってね、おーい。換金しに来たよー!」


むごっ!?


「なんか変な音しなかった?」


音の出所に目を向けるが何もない。


「寝てたんだよ。換金に来る人やジャガイモは少ないから。」


寝てた?誰が?疑問符が浮かぶがそれは目の前に出てきたジャガイモで解決した。


「なんじゃ、大きな声をだしおって。まだ寢たりんというのに。」


ぶつぶつ文句を言うジャガイモはとても小さくしわくちゃで、そして……若干カビている。やっぱりカビるんだ……と考えていた事がもう一つ解決したがそれと同時にジャガイモ達は恐ろしいなと思った。生きた状態でカビるのか……やだな。


「換金しに来たよ!」


元気よく小さいジャガイモは老ジャガイモに言う。


「だからうるさいんじゃ!!何?換金とな?ほお、お前さんが換金しに来た者か。ふむ……お主、人じゃないじゃろ?」 


老ジャガイモは線の目を薄く開き僕を見る。


「なんで分かったんですか?」


「え!人じゃないの?」


「ほとんど勘じゃ。それにしてもよく出来とるのう。お主、名は?」


「ナナシです。」


「そうか…。どこから来たんじゃ?」


「えーと遠い所としか。」


僕は来た所を言って良いものか判断がつかないのではぐらかす。


「無理に言わんでいいわい。そうかそうかそれにしても久しぶりの客じゃの。いつぶりかのう。それで換金したいものはなんじゃ?」


「これです。」


僕は今持っている歯車を全て広げる。


「おお!!これは、精巧なもんじゃのお。これがお主の国では通貨だったのか。」


「はい、換金出来ますか?」


「換金出来るも何もこれ全部は不可能じゃ。」


老ジャガイモはヨボヨボの体を振る。


「え、なんでですか?」


もしかして換金出来ないのでは?そう考えたが老ジャガイモは斜め上の返答を返した。


「ここだけでは換金出来ないということじゃ。変える金額が足りん。それほどにこの歯車は価値がある。」


「へ?換金出来ないわけではないんですか?」


「ああ、出来るがこの銅色の歯車一つしか換金できん。まあこの城下町ならこれだけあれば十分じゃろう。」


「もし、これ以上欲しいのなら隣の国にでも行くんじゃな。ほれ換金ぶんじゃ受け取れ。」


老ジャガイモは自分の身の丈に届きそうな袋を下から取り出し僕の前に置く。


「あ、ありがとうございます。」


「それじゃ、儂寝るから。」


話は終わったとばかりに老ジャガイモは店の奥に消えた。隣の国という気になる事を言い残して。


「換金も出来たし、お薬買えるね。ここから程近いから行こっか。」


「うん。」


小さいジャガイモがさっさと店内から出るので僕も一緒に出る。


「行ったか。本当に来るとはのう。じゃが、あやつが言ってた名前とは違かったのう。まあ別に良いか。さてもう一眠りするかの。」


老ジャガイモは欠伸をすると来客の来る前と同じ様に眠りについた。


「ねえ、さっき老ジャガイモが言ってた。隣の国って?」


気になったことを小さいジャガイモに聞く。


「老ジャガイモ?あーさっきの。さっ着いたよ!」


「早いね。もう着いたの?」


小さいジャガイモにはぐらかされたが一体隣の国はどんな所なんだろう?

感想待ってまーす。

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