街
絶望と虚ろをない交ぜにして座り込む少年とその少年を見据え真摯に話をしようとする少年が向かい合うようにしていた。そしてそんな2人の様子を伺う人形が1匹。表情も感情さえも見えない顔を2人に向け静かに見守っていた。
「俺は……まあ名乗らなくていいか。そっちは名乗る名前も無いわけだし。」
俺はペロッと軽く話す。
「いいよ……さあ、話して。」
僕はそんな彼を急かす。目の前の少年の髪は特徴的で髪の毛の端が燃えているような炎の揺らめきを思わせる模様が入っている。髪は少し長めでその髪の下には年不相応の暗さと輝きを混ぜた瞳、浅黒い肌に整った顔立ちをしている。
そんな事、今はどうでもいい。何故ソラトとティメナを壊したのか理由が知りたい。相手の名前も、自分がロボットだったことも、名前が無いことも、そんな些末事………考えずに済む。
「分かった、話す。お前、リセット日は知ってるよな?」
「勿論。」
「そりゃそうか。ならその時何か起きた話を聞かなかったか?」
「何かって………。」
理解した。ソラトとの会話でつぎはぎの人形を連れているのが…………
「ドロボウが黄金の歯車を盗んだ。そうか……君はドロボウなんだね?」
「ああ。そうだ、俺がドロボウだ。………ホントはちげえけど。」
最後の言葉は座り込む少年には聞こえず、ドロボウと魔ペットにしか聞こえていなかった。
「じゃあ、理由も無くとか希少価値が高いからとかそういう理由?」
「ちげえよ、そんな事の為に今まで和気あいあいとしてたのぶち壊すわけないだろ。」
俺は血も涙も無い奴に見えるのかと肩を落とす。
「じゃあ、どんな理由が?」
「その理由に答える前に1つ聞きたい。」
ピッと人差し指を立て話す。俺の考えていることが正しければ目の前の少年は知らないと答えるだろう。この街には知る者がいないから。
「この街、実は国だって知ってたか?」




