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ドロボウは夢叶える為世界を旅する(過去編)  作者: フロッグ
1幕 歯車の街
2/83

日常とリセット

 機械歴170年歯車回転7の0日


0日、この日は全てが休みになる。


全てが休みだからまず何もやっていない。


電車もバスもスーパーもコンビニすらやっていない。テレビはついても砂嵐だ。なにもなくなる日なのでリセット日と呼ばれる。リセット日には近所の人々で買い集めた食料でバーベキューをしたり、借りていたビデオを見たりして交流を深めるのだ。



そんないつもと変わらないリセット日、唐突にドロボウは現れた。


 歯車回転7の1日


「よっ、久しぶり機能のリセット何してた?」


「久しぶりって昨日もあったじゃん。」


(親友のソラトは家が隣で昔からの幼馴染だ。スポーツ勉強ともにでき友達も多い。茶色の髪、肌は黄色、顔立ちもよくはっきりいってモテる。悔しいがモテる。)


僕達の間ではリセット日を略してリセットと読んでいる。


「まあまあ細かいことは気にすんなって。」


へらへらと返してくるソラトに少々呆れつつ、


「細かいことって」


と僕は苦笑する。


「そういえば昨日のリセットに出たって聞いたけど?ドロボウ?だっけ?」


「ああ、出たみたいだぜ。頂上の塔の黄金の歯車を盗んだらしい。」


「それ大丈夫なの?盗まれて。」


「さあな、さっぱりだ。」


とソラトは肩をすくめる。


『頂上の塔』それはこの街の日付を告げる時計塔だ。毎日決まった時間になるとガチャガチャと騒がしい音をたてる。朝はそんな音をたてるくせに夜はオルゴールのような美しい音色を奏でる。


そんないつもの会話をしていると予鈴ぴったりに先生が入ってきた。


「お、そろそろ時間か。じゃまたこの話は次の休み時間にしようぜ。ってことで席戻るわ。」


「うん、了解。」



***************************************



「えー身近には様々な動植物がいます。そして私のようなロボットも数多く存在します。」


今日の最初の授業は、生物ロボット史のりボート先生だ。何十年も前に作られたロボットで生徒から授業が面白いと人気だ。体全体が四角く所々が錆びていて年季が入っていることが伺える。


「ロボットといってもひと括りではありません。私のようなガングロボットやペットとして人々のそばにいる、ギアアニマルもいますね。」


「それ以外いないでしょ先生。」


ソラトが聞く。


「いいえ。実はまだいるのです。その種類をギアボットと呼びます。」


ギアボット?聞いたことがない、教室の中がざわざわとなる。僕はそのギアボットをどこかで聞いたような気がした。でも思い出せない。ソラトから聞いたのかな?


「ギアボットは先程種類と言いましたが1機しかないと言われています。」


と喧騒が収まるのを待ってから、先生は静かに話しだした。


「ギアボットは100年以上前から存在すると言われており、未だそれ以外の情報は歴史にはありません。」


残念そうに先生は首を振る。


「形とか分からないんですか?」


生徒の1人が聞く。


「はい、存在だけで形も分からないそうです。」


「そうなんですか。」


と質問した生徒は残念そうに答えた。


「みなさん、くれぐれも復習を忘れないように。以上授業を終わります。」


キーンコーン、カーンコーン。


丁度先生が授業の終わりを告げたタイミングで授業終了のベルが鳴った。


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