戦利品
指で金属を飛ばしキャッチ。指で金属を飛ばしキャッチ、薄暗い部屋にリズミカルに鳴る。コイントスがされている場所は普段所有者の来ない物置兼屋根裏だった。
「今回もなんとかなったな。魔ペット。」
「はい、さすがご主人様デス。」
巷を騒がせるドロボウは今回手に入れた戦利品、銀色の歯車を指で弾き弄んでいた。
「まー、どっかの民間人のおかげでドーベルには出くわさなかったしラッキーだったな。」
「イエ、これもご主人様の日頃の行いの賜物でゴザイマス。」
「そうか?いや、そういうことにしておこう。」
俺は少し苦笑し魔ペットの頭を撫でる。
「さって、着々と鍵は集まってるけどどうすっかな~。」
暫く魔ペットの頭を撫でた後ソファーから立ち上がり弾いた歯車をポケットの中に落下させる。
「ご主人様のお心のママニ。私はどこまでもついていきマス。」
「ありがとな。魔ペット。」
深々とお辞儀をする魔ペットに対して俺は感謝を示す。
「ところでご主人様サマ。」
「ああ。来たか。」
屋根裏にある小さい小窓から下を覗く。覗いた先には錆色の軍勢が大挙してきていた。
「おーおーこりゃまた大勢で来たな。」
眼下に広がる景色は警備隊とギアアニマルで埋め尽くされ規則正しく行軍してくる様は波が押し寄せてくるかのようだ。
「どうしマスカご主人様?」
「そりゃあ…………逃げるよ?」
「流石デス、ご主人様。分を弁えてイラッシャル。」
「まあ、な。」
俺は頭を掻き錆色の波を見て溜め息。
「で、どっから逃げっかな~。」
魔ペットは俺の指示を待っている。ボタンの目を多分期待に輝かせて。
「いいか、魔ペット。今回は戦闘も少し交えないと突破できそうにない。頼むな。」
「モチロン、オマカセ下さいませご主人様。」
魔ペットは左手より少し大きい右手を額だと思われる所に当て敬礼する。
「よし、そうと決まればここから脱出するぞ。」
ドロボウは気合いを入れ錆色の波を見てニヤッと笑う。
「俺達がそんな簡単に捕まると思うなよ。」




