第八十三話「クレファスの故郷」
アスターシャには学校を退学してもらい、再び旅を始めることにした。
クレファスには猛反対されたが、何とか説得した。
気が進まない。
そりゃそうだ。
楽しい生活を犠牲にして、僕は元の世界に戻るのだ。
元の世界へ戻ればどうなるかは目に見えている。
それでも進まざる負えないのだ。
それが家族の願いなのだから。
次の国、ジャハルカ国へとたどり着いた。
どうやらここはクレファスの故郷らしい。
まあそんなことは今の僕にはどうでもいいことだ。
ここの光水晶を手に入れるべく、ナビの案内の元先へ進んだ。
途中の街中を歩いている最中、妙な感じがした。
皆忙しく動いているというか。
そう思った途端、一人の人物が僕達の元へ近づいて話しかけてきた。
「君たち旅人?」
僕は「はいそうですが」と答えた。
「ここは危ないよ。もう少しで戦場になる」
「何!?」
クレファスが突然反応を示した。
僕も驚いていた。しかし、今の僕にとってはそれはどうでもいいことだった。
「おい、お前!」
「ん? 貴方は……? もしやクレファス?」
「そうだ。」
「まさか、貴方に会えるとは」
「そんなことより戦場ってどういうことだ!?」
「見ての通りさ。お隣のスイーズ国と戦争することになっている。概ねこの国の資源が欲しいといったところだろう」
「そうか」
クレファスはしばらく考える素振りをして、しばらくすると言葉を発した。
「分かった。俺もこの戦争に参加しよう」
今……何て言った……?
「良かった。君がいれば百人「クレファス!」
僕は思わずその人物の言葉を遮って言葉を発した。
「悪いな雅人。俺はこの国の国民だ。戦争に参加する義務がある」
「でも」
「止めるな。お前たちとはここでお別れだな」
「そんな……」
仲間がいなくなる。
どうしよう。
「なら僕も参加する」
「な!?」
唐突だ。自分でも良く分からない。
所詮作られた世界。作られた人間。作られた人間関係。分かっていた。
でも……。
「お前、本気か?」
「仲間のピンチを助ける。それが仲間ってものだろう?」
「いや、ダメだ。俺の戦いにお前を巻き込むことは出来ない」
「でも「お前には目的があるんだろう!」
そうだ。僕には目的があって旅をしている。
しかし、ここで仲間を見捨てることには
「クレファスさん行っちゃうの?」
「ああ、済まないな、アスターシャ。幸せになれよ」
クレファスはそういうとそのままこの場を去ってしまった。
「ナビ!!」
僕はナビと話をしていた。
クレファスの件についてだ。
「あら。何かしら」
「クレファスがいなくなった。」
「そうね」
「そうね……だと!?」
「元々、このイベントは貴方を鍛えるためにあるものだった」
「僕を……鍛えるため?」
ナビは説明してくれた。
僕が元の世界に戻って悲劇に耐えられるように仲間がいなくなるもの試練のひとつだったと。
ナクロの存在で予定が狂ったことなど
「じゃあ仲間は次々といなくなるのか?」
「さあね」
こいつ!!
「いちいち文句ばかり言ってないで私のいうことに従うことね」
何も言えなかった。
そうだ。僕は進まなきゃならない。
家族のためにも……。




