第八話「冗談返し」
朝目を覚ました。
さて、今日もスライム狩って、蕎麦でも啜るか。
と思っていた矢先。
ナビにちょっと待ってと呼び止められた。
「何?」
「光水晶。忘れたの?」
ああ、そうだった。
こいつは最初に僕に各地に転々として光水晶を集めてこいと言っていたのだ。
「もうちょっとここにいてもいいじゃん?」
「別に急いではいないけど」
ということで今日も元気にスライム狩りになりました。
外に出ていると相変わらずスライムがうようよいる。
こいつらどっから湧き出てくるんだ? と思うぐらいだった。
平原に出没するってことは草でも食ってるんだよね。
あれ? じゃあ色が青っておかしくね?
液体が草食ってるんだから、普通緑色になるでしょう?
というどうでもいい疑問は置いといて、
俺は片っ端からスライムを剣で潰した。
「ねえ、雅人」
「ん? 何?」
「貴方、剣の扱い方雑になってない?」
「別にいいじゃん」
「私としては今後のためにも正しく剣を使ってほしいな」
うん、そうだな。
剣は潰すためじゃなくて、斬るためにあるんだよな。
ナビが直せ直せとうるさいので剣で”斬る”という形になった。
「もっと両手を使って剣を振って!」
両手を使って剣を振る。
「もっと腰を動かして!」
ったく注文が多いな。
とりあえず腰を動かすのを意識する。
「もっと剣の刃先を持って振って!」
うん。
こいつふざけてるな。
「あのう」
「何かしら」
「剣の刃先をもって振ったら手が血まみれになると思うんですけど」
「この世界では剣の刃先をもって振るのが常識よ」
こいつの常識は当てにならん。
「だよねえ。この世界では剣で自分のお腹を突き刺すのが常識だよねえ」
といって僕は自分の腹に剣を突き立てた。
「ごめん! 冗談冗談」
「うん、分かってる」
焦ってる焦ってる。
逆に僕がこいつを自分のペースに取り込んでやった。
人を冗談で困らせるのは面白いな。
主にナビとかナビとかナビとかをね。
「貴方、いつの間にかしぶとくなったわね」
「お褒めの言葉ありがとうございます」
「何か悔しい」
ということで、今日もこんな冗談を交わしつつ、スライムを狩るのであった。




