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第七十九話「クリスマス」

 今日は12月25日。

 ナクロにも聞いたところ、どうやらこの作られた世界にもクリスマスがあるみたいだ。


「ねえ、アスちゃん」


 クレファスがアスターシャに話しかける。


「折角のクリスマスだし、俺と出かけない?」

「お兄ちゃん! 折角のクリスマスだし私と私と出かけない?」


 アスターシャがクレファスを無視して僕を誘い出す。


「そんなあ」


 クレファスは落ち込んでしまった。


 僕はそれに了承し、アスターシャと出かけることにした。

 クレファスは


「お前、アスちゃんに変なことしたら許さねえぞ」


 と抜かしてきたが、安心しろ、お前みたいな真似をするわけがない。


 アスターシャといろんなところを見て回った。


「これいいなあ」


 アスターシャの目に止まったのは十字架のペンダントだ。

 綺麗に輝いてる。

 テレーゼにとても似合いそうだ。


「買ってあげようか?」

「いいの?」

「うん」

「ありがとう! さすが私の私のお兄ちゃん」


 アスターシャが買った十字架のペンダントを首にぶら下げる。


「どう? 似合ってる?」

「とても似合ってるよ」

「ありがとう。フフフン」


 アスターシャは機嫌が良さそうに鼻歌を歌う。


 いろいろぶらついた後、適当な公園で黄昏ることにした。


「ねえ、知ってる?」


 ふとアスターシャが口を開いた。


「クリスマスの夜にキスをした男女は永遠に結ばれるんだって」


 クリスマスにそんな伝説あったっけ?


「だからお兄ちゃん」


 嫌な予感がする


「私とキスして」


 やっぱりいいい。

 でも僕にはテレーゼがってそういう問題じゃないな。


「いや、それはないでしょ?」

「何で?」

「だって僕達兄妹だよ?」

「血は繋がってないでしょ?」


 うん、そういう問題じゃなくてねえ。

 

 アスターシャが僕にキスを迫ってきた。

 僕はそれを強引に断った。

 そしたらアスターシャは機嫌を悪くして


「もういいもん。お兄ちゃんなんて嫌い」


 と言い放ってきた。

 こうしてアスターシャとのクリスマスは幕を閉じた。


 宿に帰って、僕はもう1個買った十字架のペンダントをテレーゼにプレゼントしようと思ったら、

 テレーゼは既に十字架のペンダントをしていました。


 仕方がないので僕がこのペンダントを身に付けることにしました。

 

 アスターシャは


「お揃いだね」


 と喜んでいたが、テレーゼともお揃いなんだよなあ

 これを言ったらアスターシャの機嫌がさらに悪そうなので黙っておいた。

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