第七十八話「飛龍デクレト討伐」
今日は学校は休みだ。
「お前ら暇だろ? だったら依頼でも手伝え」
クレファスのその発言のもと、僕とナクロも依頼を手伝うことになった。
ギルドに寄るのも久しぶりだな。
懐かしいわ。最初の街のギルドでスライム狩りの依頼を受けてスライムをプチプチ潰す生活を送っていた日々が。
あの頃に戻りたいとは思わんが。
ギルドに寄った。
さすがはある程度進んだ。国の街。ギルドの依頼も豊富にある。
「これにしましょう」
ナクロが選んだ依頼。
それは
<飛竜デクレト討伐>
「いやいやいやいやいや」
「正気かお前!?」
クレファスとガーデが怯えた顔をしながらナクロに言った。
「でもこれが一番儲かる依頼ですよ」
ナクロ。
君は何も分かっていない。
飛龍デクレト。
僕は目の前にしたことはないが聞いただけでもやばいモンスターなのは分かる。
デクレトの卵を収集する依頼でも結構儲かるのだ。
その本体を倒すというのだから相当なもんだろう。
「とにかくその依頼は却下だ」
「それじゃあ僕一人で行ってきます」
「えええええええ!?」
ナクロ。
君は何がしたい?
ナクロが頑なにそういうもんだから、僕達は渋々ナクロに付いていくことになった。
「受付嬢さん。ギルド依頼ナンバー568で」
「あ、はあ」
ほら見ろ。
受付嬢さんも顔をポカーンと開けている。
「あいつら死ぬ気か? デクレトに挑むなんて」
周りの人もそんな陰口を叩く。
何か心配になってきた。
そんなこんなで僕達はデクレトがいる飛竜山に向かうことになった。
すごい豪快な山だ。
大きい木が生い茂っている。
歩くだけでも結構体力を消耗する。
本当に大丈夫なのか?
山の頂点へと辿り着いた。
そこにはちょうど良くデクレトがいて卵を守って寝ていた。
少しずつ近づいてみる。
デクレトが起きる様子はない。
「おおっチャンスじゃん」
「俺っちに止めを刺させてもらえない?」
「何を言っているデクレトは俺の獲物だ」
「いや俺っちのだ」
「俺だ!」
「俺っちだ!」
「二人とも喧嘩はやめてください。そんなことをしちゃデクレトが」
起きちゃった。
やべえええええええ!!
「不味い!」
デクレトは翼を羽ばたかせ僕たちに襲いかかってきた。
狙われたのはクレファスだ。
「あっ」
肝心なところでクレファスが足を踏み外した。
援護するか?
いや、この距離からじゃ間に合わない。
クレファス! クレファスううううう!!
「あれ?」
気が付くとデクレトの首が切断されていて体ごと横たわっていた。
クレファスは無事みたいだ。
「どうなってんだ?」
発信機には依頼達成というメッセージが聞こえていた。
「これ……もしかしてお前がやったのか?」
クレファスがナクロに言い寄る。
「そうですが。何か?」
「お前、やばすぎるだろう!」
そういや、忘れてたな。
一応、ナクロにもこの世界を制御する力はある。
なら、こんなモンスター1匹倒すのも苦ではないのかもしれない。
こうして飛龍デクレト討伐は終了した。
それにしても
「ナクロ様は素晴らしいですね」
何かクレファスとガーデの二人のナクロに対する態度が変わった気がする。
まああそこまで見せ付けられるとそうなるよね。
でもいいおっさん二人が少年に頭を下げてる風景を見てると、何か悲しいものがあるね。




