第七十二話「家族」
僕は皆にも真実を話すことにした。
皆、僕がこの話をしたら何と思うだろうか?
でも皆家族なんだ。
家族に隠し事は良くないよね。
クレファスとかは隠さないといけない部分があったりするが、まあそれは別の話だ。
皆が宿に戻ってきた時に僕は話を切り出した。
真実を。
僕がこの世界の住人ではないことや僕が光水晶を集めきればこの世界は消滅することなど
「にわかには信じ難いな」
「ですねえ」
クレファスとテレーゼがそういった言葉を発する。
その通りだ。
信じられるわけがない
「俺っちは別に消滅したって構わないけどね。適当な人生だったし」
ガーデはどこか後ろ向きだ。
「お前の言いたいことはだいたい分かった。しかし」
「しかし?」
「俺たちにはちゃんとした過去がある。この世界がお前のために作られたというのはやはり信じ難い」
クレファスがそういった結論を僕に述べた。
「ではもしもの話をしましょう」
僕は話を切り出した。
「もしも?」
「ええ、もしも僕がこの世界を卒業して貴方が消滅するとしたらどうします?」
「難しい質問だな」
「そうですね」
クレファスはしばらく腕を組みながらうーんと悩んだ後、こう言い放った。
「まあ受け入れるわな」
「受け入れる?」
「ああ、俺の人生はろくなもんじゃないし、仲間のために消える必要があるというのであれば俺は消えるよ」
クレファスはそう言った後、ベッドに座り込んだ。
「テレーゼさんはどう思います?」
「私?」
「はい」
「私はそれが神が決めた定めなら受け入れようかと思います」
神……か
今のこの世界の神はナビみたいなもんだ。
「皆、話を聞いてくれてありがとう」
「何言ってんだ。仲間だから当たり前だろう」
「アスターシャが皆のこと家族だって言ってたよ」
「ってことはアスちゃんは俺の嫁さんということか」
それはまず有り得ないでしょう。
アスターシャも嫌そうな顔してるし、
クレファスのアスターシャ好きは相変わらずだ。
何か真実を話したことで少しすっきりした気がする。
もちろん悩みが解決したわけではない。
でも、皆に話したおかげでその重みは軽くなった気がする。
悩みって一人で抱えずに素直に話したほうがいいね。
さて、気分もすっきりしたし、明日から学校へ行こうかな。




