第六十二話「ナクロ」
「ということで新しい仲間を紹介します」
「いええい」
ガーデの歓迎会が終わったばかりなのに。
今度はこの男の歓迎会が始まった。
皆のテンションも若干薄い。
「僕のことはナクロとお呼びください」
ナクロねえ。
「お兄ちゃんもかっこいいけど。ナクロさんもかっこいい!」
アスターシャがナクロを褒めちぎる
「アスちゃん、俺は? クレファスのことは?」
「クレファスさんはまあ普通」
「そんなあ酷いよおアスちゃん」
「その呼び方やめてください! あと近寄らないでください!」
クレファスのアスターシャからの扱いは相変わらずだ。
「ほおナクロという名前か。誇っていいぞ、俺っちに勝ったいい名前だ」
どういう理屈か分からんが、ナクロがガーデに勝ったというのは事実みたいだしな。
「そろそろお開きにしますか」
「だねえ。眠いもん」
ということで夜も遅いので、ナクロの歓迎会はすぐ終わった。
さて、今日でパーティは合計6名だ。
幸いここの宿は6名分の大部屋もあるからそれに予約を取っといた。
皆が寝静まった中。
僕は考え事をしていた。
今までナビの指示通りに動いていたが、ナビに背くということになった。
ということは旅の目的が無くなったということだ。
これからどうしよう。
そんな風に悩んでいたとき
「どうやら眠れないようですね。雅人さん」
ナクロが僕に話しかけてきた。
「ちょっと考え事をしててね」
「ナビに関してのことですか?」
「ああ、旅の目的が無くなった」
「安心してください」
「ん?」
「目的ならこれから作ればいいじゃないですか」
これから作る……か。
そうだな。目的なんて作ろうと思えばいくらでも作れる。
それにわざわざ旅なんてする必要もないのかもしれない。
ナクロ。いいこと言うなあ。
最初はドス黒いオーラを放って大丈夫か? こいつと思ったが
今じゃナビよりも信用出来るいい仲間(双子の弟という設定だけど)だ。
「そういやアスターシャちゃんはまだ子供でしたよね?」
「ああ、そうだけど」
「それじゃあこうするのはどうですか?」
「こうする?」
「新しい目的ですよ」
ナクロが僕に提案した目的。
それは
アスターシャを学校に通わせることだった。




