第五十九話「飛行機」
気が付くと、僕は宿のベッドの上に横たわっていた。
「あっお兄ちゃんが目を覚ました!」
目の前にはアスターシャがいる。
あっそういえば!
勝負の行方はどうなった?
目の前にはアスターシャの他にクレファスとテレーゼもいる。
それとあのダンディな男も。
「いやあ、すげえなお前は分身も使えるとは」
クレファスが僕を褒めたたえた。
分身? 何のことだ?
「俺っちの負けだ。約束通り、お前らの仲間になろう。好きにコキでも使え」
この男が負けを認めたってことは、僕達の勝ちってことでいいんだよね
しかし、分身とは一体何なんだ?
そんな魔術あったっけ?
まあナビのことだ。
きっと
「ああ、光水晶が集まったおかげで発動出来るようになったのよ」
と答えるだろう。
その返事を待ってナビに問いかけてみた。
…………。あれ?
ナビが反応しない。
何だ? また誤作動か?
まあこの際そんなことはどうでもいい。
それより……。
仲間が増えたんだああ!!
やったよ。これでこのパーティは更に賑やかで楽しいものとなるだろう。
「俺っちはガーデ。ガーデ・オルストレングス。よろしくな」
自己紹介が終わったあと、僕達は歓迎会を開いた。
クレファスからは
「お前、俺とテレーゼにはそんなことしてくれなかったのに何でこいつだけにはするんだよ」
という批難の言葉を浴びせられたが、クレファスはともかく、テレーゼが仲間になる経緯は重すぎたからなあ。
ということをクレファスに言ったが
「じゃあ俺のときは何で祝わなかったんだよ!」
と逆に言い返されてしまった。
いやだって、クレファスが仲間になったときってまだ3人でしょ?
それじゃあパーティにならないじゃん。
その旨をクレファスに伝えると
「俺はアスちゃんに祝って欲しかったの!」
と駄々をこねてきた。
そうか。そんなにアスターシャに祝われたいか。
それは本人に直接言ってくれない?
と言い返すと
…………だんまりしちゃった。
YESロリータNOタッチだと言ってあれだけのことをしたのだ。
こいつには何も言えまい。
僕は歓迎会が終わった後、真っ先に宿に戻った。
「ん?」
見渡すとテレビがあった。
この世界にテレビなんてあったっけ?
携帯がある世界だ。
テレビがあってもおかしくはないが。
テレビには飛行機が飛んでいる様が写っている。
それを見た瞬間、また奇妙な感覚が僕を襲った。
何だ? 無性に寒気がする。
「君は先に進まないほうがいい」
僕の目の前にある男が姿を現した。
この男からは強烈なオーラを感じる。
あの時の黒いフードを被った男と同じオーラだ。
もしや!?
僕は一人だ。
まさか殺されるんじゃ。
「安心して、僕は君の味方ですよ」




