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第五十話「黒いフードを被った男」

 次の国ベルカ国へ辿り着いた。

 ナビによると、この国でのイベントはないらしい。


 なので、この国の光水晶がある神殿へとそのまま向かうことになった。

 その道中。


 皆が寝静まった中、僕だけ眠ることが出来なかった。


 ちょっと外で黄昏ようと思い、宿の外へ出ようとした時。


「どこへ行くの?」


 とナビに呼び止められてしまった。

 さすがにこいつと黄昏る必要はないだろう。

 脳内でいつも会話できるわけだし。


「ちょっと黄昏るだけだよ」

「今は外に出ないで!」

「どうしてさ」

「理由なんていいでしょ。とにかく出ないで!!」


 これだ。

 ナビのこういうところが僕は嫌いなんだ。

 僕に隠し事をしている。


 今回はナビに逆らってみよう。


「理由は?」

「だから無いって」

「それじゃあ、僕は君に従えないなあ」

「とにかく出ないで!」


 ナビの言葉を無視して、僕は外に出た。

 適当に人気がないところを探し、黄昏ていた。

 その矢先。


「ん?」


 人の気配がした。

 その気配がするほうへ振り向くと、人がいた。


 黒いフードを被っている。

 いかにも怪しげな雰囲気を醸し出していた。


「これ以上、先へ進んではいけない」


 黒いフートを被った男は言った。

 先へ進んではならない?

 こいつは何を言ってるんだ。

 初対面の相手に言う言葉じゃない。


「あの、貴方は」


 その言葉を発しようとした瞬間。

 男は僕の真後ろに瞬間移動をし、剣らしきものを僕の首元に当てた。

 その剣はものすごい光を放っていた。

 ビームサーベルと言ったところか。


「これ以上進むのならここで死んでもらうことになりますね」


 これは不味いな。


「ナビ。シールド」

「彼にシールドは効かないわ」


 何?

 余程、魔術耐性が強い相手なのか。

 しかし、厄介だ。

 瞬間移動が使えるとなると。


「安心して、彼に貴方は殺せない」


 どういうことだ?

 とりあえず、ナビにそのことを彼に伝えろと命令されたので言われた通りにした。


「僕を君が殺せるかな?」


 この状況のナビの言葉に嘘はない。


「そうですか。ナビにそう命令されましたか」


 え?

 今、何て言った……?


「教えましょうか? 真実を」


 その男がその言葉を発した瞬間。

 爆発音がした。

 それも何回も。

 すごくうるさい。


「チッ、ナビが邪魔ですね」


 爆発音が消えたあと。

 男もいつの間にかいなくなっていた。


 それはそうと


「ナビ!」

「何かしら?」

「何、爆発音ばっか鳴らしてんだようるせえよ!!」

「あの男が出るたびにこの音を鳴らすことになりそうね」

「何でだよ」

「理由なんてどうでもいいでしょ」


 さっきの男といい、ナビといい、一体何なんだ?

 ってか爆発音のせいで余計目が冴えて眠れなくなってしまったんだが。


 ナビめ、この罪はでかいぞ。

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