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第四十九話「結果」

 僕が選んだ結果。

 それはクレファスの命だった。


 彼には戦うことを諦めてもらう。

 例え、彼のプライドがズタズタになったとしても、彼が生きていてくれればそれだけでいい。


 ということをナビに伝えた。

 ナビは


「それでいいんじゃない」


 と答えてくれた。

 さて、後はクレファスの戦意を喪失させるだけだが。


 僕は夜中、クレファスを呼び出した。


「何だ。呼び出して、もしかして俺と戦う気か」

「その通りだ」

「俺がお前ごときに負けるわけないだろう」

「それはどうかな。今の僕が君に負けるはずがない」

「何だとお!!」

「僕が勝ったらこれからの戦いには参加しないで欲しい」

「いいだろう。俺が勝ったらアスちゃんを嫁にさせてもらうぞ」


 はあ、それを僕に言われましても。

 まあいい。今の僕がクレファスに負けるはずがない。


 戦闘が始まった。


「ナビ。ストップを」


 ナビのストップが発動した。

 クレファスの動きが鈍くなる。


 僕はクレファスの首を掴み、そのまま押し倒し、剣を向けた。


「僕の……勝ちだ」

「まだだ! 爆裂陣」


 あの時の戦いと同じだ。

 僕はクレファスから距離を取った。


「ナビ。火球」


 火球のマシンガン。これで一気にクレファスの体力を削る。 

 クレファスはそれを振り払いつつ、僕に向かって突進する。


「うおりゃああああああ!」


 クレファスの一撃が僕に向かってくる。


「ナビ。シールド」


 ナビのシールドでクレファスは吹き飛ぶ。


「もうやめろ! クレファス。君の負けだ」

「まだって言ってんだろ!」


 どうしてだ。

 どうして、そこまで頑張れる。

 僕がクレファスならとっくに諦めてるはず。


「うおりゃああああ」


 クレファスの体力はもう限界だ。

 動きを見て分かる。

 それでもクレファスは立ち上がる。


「うおりゃあああああ!!」

「ナビ。シールド」


 僕はシールドでクレファスを怯ませた後、クレファスの剣を魔剣プリティで弾き飛ばした。


「諦めろ。クレファス。剣もない状態じゃ」

「まだだあ!! 火球」


 遅い。

 僕は蹴り技でクレファスを吹き飛ばした。


「もう諦めろ君に勝ち目は「まだだ……まだだあ!!」


 どうして諦めない。

 もう剣すら無いのに。


 こんな調子でクレファスは何度倒れても諦めなかった。

 どんなにボロボロになっても。

 どんなに無理だと言っても。

 彼が諦めることはなかった。

 この前みたいに倒れることもなかった。


 ストップの魔術もシールドも底を尽きた。

 ストップが発動していない状態のクレファスの動きは速く、僕はとうとう負けてしまった。


「どうだ! 雅人。これが俺の実力だ」

「ああ、僕の負けだ。だけど最後に聞きたい」

「何だ?」

「死ぬ覚悟はある?」

「死ぬ? 何を言ってるんだ。俺は死なねえさ。アスちゃんもいるしな」

「……頼むよ」


 僕は彼を止めることは出来なかった。

 

「ナビ」

「何かしら?」

「これで良かったんだろうか?」

「ええ、予定通りよ」


 ナビは知ってたんだな。

 この結果を。


 とにかく僕がクレファスを止める理由は無くなった。

 もし、彼が死んだとしても僕はそれを受け入れようと思う。


 でもまた二人で戦えるのは嬉しい。


 僕は心のどこかで喜びを感じていた。

 予想外だったが、いい結果だった。


 こうして、クレファスとの戦いは幕を閉じた。

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