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第四十三話「アスターシャの旦那様」

 さて、この国のイベントも終わりこの国の光水晶がある神殿へと向かうこととなった。

 その道中。


 僕は夢を見ていた。

 飛行機が墜落する夢だ。

 普通におぞましい夢だが。

 何だろう? それだけじゃない何かモヤモヤするような

 そんな感じがした。

 そして、声が聞こえてきた。


「これ以上進んではならない」


 僕はその言葉と同時に目を覚ましていた。

 呻き声も上げていたみたいで、周りの皆も起き上がり、心配している様子だった。


「ごめんちょっと黄昏てくる」

「私も私も一緒に行く」


 アスターシャが一緒に黄昏たそうにしている。


「こら、アスターシャ。彼を一人にさせてあげなさい」


 テレーゼがアスターシャを止める。


「ええ! でもお」

「ダメったらダメ」

「いいんです。テレーゼさん。アスターシャ一緒に黄昏ようか」

「やったああ!!」

「もう」


 前は一緒に黄昏てやれなかったからな。

 今日ぐらいわがままは聞いてやるさ。


 しかし、あの夢は何だったんだろう?

 ただの夢にしては何かがある気がする。


「これ以上進んではならない」


 この言葉も引っかかる。


 そして


「お前は、生きている」


 この言葉も

 謎が解けていく。そんな感覚を僕は感じ始めていた。

 これ以上進んではならない。

 気になる言葉だが、今は進むしかない。

 それ以外に道があるわけじゃないのだから。


「私ね」


 アスターシャが口を開いた。


「お兄ちゃんに家族になろうって言われた時、すごく嬉しかったんだ」


 あの時か。

 自分でもよくわからない。

 自然とその言葉が出ていた。


「お兄ちゃん」

「何だい?」

「私の私の頼み聞いてもらってもいいかな?」


 アスターシャの頼みか。

 

「いいぞ、僕はお兄ちゃんだからな。何でも頼み聞いてやるぞ」

「いいの?」

「いいよ。どんとこい!」


 治安部隊から賞金ももらった。

 どんな贅沢でも聞いてやるさ。

 ドンと


「私の旦那様になってください!」


 え? へ?


「アスターシャ、それはどういう」

「どうもこうもそのままの意味です!」


 僕にはテレーゼが……じゃなかった。

 とりあえず断ろう。


「僕は君の兄で夫になるつもりはないよ」

「やっぱりダメですか。テレーゼさんには適わないですね」


 え? へ?


「アスターシャ、それはどういう」

「クレファスさんから聞きました」


 あの変態ロリコン野郎。

 そんなことをアスターシャに吹聴してやがったのか。

 許すまじ。


「いつかテレーゼさんより美しくなってお兄ちゃんを振り向かせてみせます! それでは!」


 そう言ってアスターシャは走り去っていった。


 とりあえず帰ったらクレファスを締め上げてやろう。

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