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第三十話「アスターシャとの時間」

 この街で稼いで3ヶ月。

 何とかウマスギールの食事代を払いきることが出来た。

 借金を返しただけなのに無駄に達成感がある。

 こんな達成感も存在するんだなと不思議に思うくらいだ。


 クレファスには今後無銭飲食はしないようにとキツく言っておいた。

 彼も渋々承知してくれた。


 さて、3ヶ月間、アスターシャには宿で留守を任せっぱなしだ。

 依頼内容もきついだけに、アスターシャを連れながら戦うことは出来ないからなあ。


 たまにはアスターシャも楽しませて上げないと。

 ということでアスターシャと一緒に出かけることにした。

 一応お金も若干余ってるから少しの贅沢は出来る。


「ねえ、私が私が行きたいところがあるんだけど」


 アスターシャの性格もだいぶ分かってきた。

 この子、何か主張したいときは主語を2つ使う癖があるのだ。

 今後直す必要がある癖だが、今はいいか。


 それよりもアスターシャが行きたい場所?

 どこだろう?


「ここ!」


 見た感じゲーセンに見える。

 ってかゲーセンだよね?


 何か不思議だ。

 ここは異世界。

 世界観も見た感じ古くて違和感がある。

 まあ携帯がある世界だ。

 ゲーセンがあってもおかしくない。


「!?」


 何だろう。

 また変な感覚が僕を襲ってきた。


「お前は、生きている」


 あの夢の言葉を思い出していた。

 僕が生きている?

 どういうことだ?

 あれはただの夢ってことでいいんだろうか?


「お兄ちゃん!!」


 アスターシャの声で我に帰った。


「大丈夫? 顔色悪いけど」

「大丈夫だよ。ゲーセンに入ろうか」


 今はあの夢のことは忘れよう。


 僕はアスターシャと思いっきり遊んだ。

 面白いゲームもあった。


 何でも、モンスター討伐を再現したゲームらしくて。

 このゲームを攻略出来れば、モンスター攻略はばっちりみたいだ。


 残念ながら僕の実力でも高難易度のモンスターはクリアできなかった。

 まあ、所詮ゲームだ。

 実戦とは違うだろうし、あんなに強いモンスターにもお目にかかることはそうそうないだろう。


 楽しい時間はあっという間に過ぎていった。


「また遊ぼうね。お兄ちゃん!」


 アスターシャも上機嫌だ。


「ああ、暇があればね」

「もうちょっと私と私と遊ぶ時間を増やしてほしいです」

「わがまま言わないの。金稼がないと生活できないでしょ」

「それはクレファスさんに任せればいいと思います!」

「あのなあ」


 まあまだ小さい女の子だ。

 もう少し時間を作ってやって遊びに付き合う必要もあるだろう。

 少し考えておくか。


 こうしてアスターシャとの一日は終わった。

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