第二十七話「ガチバトル」
クレファスとの鍛錬を始めて、一ヶ月が経った。
最初は速かった彼の斬撃にも自然に対応出来るようになった。
「そろそろいいか」
クレファスはそう言うと、剣を構えた。
「死ぬ覚悟はあるよな?」
死ぬ覚悟。
あれだけ変態ロリコンだったクレファスからは想像も出来ない言葉だ。
しかし、その言葉が来るということは僕はクレファスと真剣勝負をするということだ。
自分よりとても格上の相手とガチで戦うということだ。
勝てる自信はない。
しかし……。
「安心しろ、お前が死んでもアスターシャは俺が守ってやる」
何を言ってるんだ!
アスターシャは僕の妹だ。
僕が守るんだ!
今のこの感情で気持ちが固まった。
その旨をクレファスに伝える。
「なら、死ぬなよ」
剣を構えるクレファスと対峙する。
覚悟は出来ている。
ここで負けるわけにはいかない。
僕の瞳を見て覚悟が出来ているのが分かっているのか、クレファスの表情も硬くなっていった。
戦いの火蓋が幕を開ける。
速い!!
本気だ。
本気で彼は僕を殺そうとしている。
「グッ」
彼の素早い斬撃に対応出来たが数メートル飛ばされて怯んでしまった。
彼はその一撃後もすぐ距離を詰めて、僕に剣を振りかざす。
ニ擊目も何とか対応した。
だが彼の斬撃は素早いだけじゃなく重い。
不味い! このままでは僕の腕力が持たない。
「ナビ! シールド!!」
「分かった」
ナビのシールドが展開し、クレファスは数メートル吹き飛んだ。
「そうくるか。なら」
クレファスが僕の目の前に掌をかざす。
不味い! このポーズは!!
だが前の僕とは違う!!
「今の貴方なら大丈夫よ」
ナビからのお墨付きももらった。
今の僕なら……いける!!
クレファスの掌から火球が発射された。
僕は火球を剣で振り払った。
「な!?」
クレファスも驚いてるようだ。
そりゃそうだ。
至近距離からの火球のマシンガンを僕が剣一つで全て振り払ったのだから。
僕はクレファスとの距離を縮めた。
よし! 今だ!!
「ナビ! シールド!!」
ナビのシールドが発動し、クレファスは火球ごとまた数メートル吹き飛んだ。
僕はその隙を見逃さなかった。
さらにクレファスとの距離を縮め、クレファスが僕の目の前に掌をかざす前に、僕の剣がクレファスの喉元に突きつけられた。
勝負あった。
「まさか……本当に俺より強くなるとはな」
クレファスはその場に座りこむと
「俺の負けだ。正式に仲間になってやるよ」
と言ってくれた。
やった! 勝った!!
僕がクレファスに勝った。
前までの僕は全てにおいてクレファスに劣っていた。
その僕が今初めて、ガチのクレファスに勝ったのだ。
こんなに嬉しいことはない。
クレファスは残念がってたがどこか嬉しそうにも見えた。
「良かったわね。これで次へ進めるわ」
ナビも喜んでいる。
こうして正式にクレファスが僕たちの仲間に加わった。




