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第二十五話「見直されるミッション」

 僕が提案したアスターシャがクレファスを見直すミッション。

 それは、まず僕が今日は用事があるからと言って、二人で適当に街中をぶらついてと促す。

 そして、僕が覆面被り、服装を変え、後ろからアスターシャをナイフで人質に取り、脅す。

 それをクレファスが助けるという方法だ。

 少々、荒治療になりそうだが、アスターシャのクレファス嫌いを無くすためにはこうするしかない。


 これならアスターシャもクレファスを見直してくれるかもしれない。

 その前に彼がどこにいるか連絡を取る手段が必要だ。


 彼の話によるとどうやらこの世界にも携帯とやらは存在するらしい。


 携帯ショップはすぐ見つかった。

 ちょっと金はかかるがこれでオーケーだ。


 次は犯罪者の覆面や服装を探したが、これもあっさり見つかった。

 しかし、こんなもの普通の店に置いてていいのか?

 犯罪を助長してるようにしか見えない。

 まあ、すぐ見つかって良かったけれども。


 準備は整った。


「アスターシャ」

「何? お兄ちゃん」

「僕はちょっと用事があるから、クレファスと一緒に適当に街中をぶらついててくれ」

「ええええええ!? 嫌だよお」

「わがまま言わないの」


 粘り強く説得した結果。

 アスターシャは渋々、了承してくれた。


 さて、僕は服装を変え、街中を出歩いている二人の後をついていった。

 あまり騒ぎになると困るので人目がないところを見計らった。


 しかし、二人の距離感がだいぶある。

 クレファスが少し近づくたびにアスターシャはその分クレファスから離れる。

 相当嫌われてんなあ。


 そんなことを思いつつ、二人の後を尾行すると。

 ちょうど人目がないところまで来た。


 クレファスに連絡を取り、アスターシャを人質に取る旨を伝える。

 クレファスから了承をもらった。

 よし、行くぞ!!

 僕は覆面を被り、作戦を実行に移した。


「ん?」


 僕は後ろからアスターシャの首元にナイフを突きつけ


「ギャハハ、人質を解放してほしくば金を寄越せ」


 と脅した。


「貴様!!」


 よし、この調子だ。

 後はクレファスが僕のナイフをどけてアスターシャを助ける。

 行けるぞ。


「何してるの? お兄ちゃん?」

「へ?」

「へ?」


 僕とクレファスは思わず不抜けた声を出してしまった。


「お、俺は覆面犯罪者だあ! お前の兄では「だってお兄ちゃんの声なんだもん」


 …………。

 いや、結構ドスがある声を出して、普段の自分とは違う声だと思うんだが……。


「いたずら? お兄ちゃんも趣味悪いなあ」


 この子、今のこの状況を分かってるのかしら。

 ナイフを突きつけられてるんよ?


「俺はお前の兄じゃ「早くナイフどけてよ」

「はい、すいませんでした」


 作戦失敗。

 幸い僕の印象が下がることは無かった。

 むしろアスターシャは僕にどっきりされて喜んでる様子だった。


「この服も意外と似合うね。お兄ちゃんは」

「ああ、ありがとう。アスターシャ……。」

「お兄ちゃん、手繋ごう」

「あ、ああ……。」


 視線が痛い。

 クレファスからの視線が……。

 これ、結構気まずいぞ。


 こうして僕たちのミッションは終わった。

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