第二十一話「鍛錬」
「なあ、ナビ」
「何かしら?」
「アスターシャを使えばあの男が仲間になると言ってたよね」
「そうだけど?」
「じゃあ、最初からそう言ってもらえないかな?」
「ダメよ。イベント的にはあの男と戦う必要があったの」
「そういうもんなのか?」
「ええ、そうよ」
僕たちはあの男がいるところへ向かっていた。
男はすぐに見つかった。
人気がないところでベンチに座っている。
とりあえず話かけてみるか。
「あのう」
「ん? あっ貴様!? さっきのやつか!? どうしてここが」
男は今か今かと剣を抜き、俺と戦おうとしている。
不味いな。
「アスターシャ」
「はいなのです!」
事前にアスターシャとは話しておいた。
この男の弱点は女の子だ。
僕はアスターシャを男の目の前に立たせた。
「女の子を使うとは、卑怯なやつめ」
「まあそう言わずに、話合いましょうよ」
さすがに敵意がないと分かったのか、男は剣から手を話した。
さて、この男には聞きたいことがある。
「さきほど、爆発音が聞こえましたが、何かあったんですか?」
「なあに、ちょっと馬鹿にされて切れただけだよ」
「はあ」
話が続かない。
「良かったら僕たちの仲間になってくれませんか?」
馬鹿か僕は
いきなり仲間になってといって仲間になるやつがどこにいる?
そんな都合の良い展開が
「構わんよ」
あったああああああ。
まじすかまじすか。
ラッキー。
「但し、条件がある」
「条件?」
「俺より強くなることだな」
ええええ!!
いや、さっきの男の動きぶりを見てもそうだが。
この男。僕なんかよりも遥かに強い。
この男より強くなれなんて……。
無理ゲーだ。
「そうと決まれば特訓だな。お前を強くしてやるよ」
不本意だ。
だが、やるしかない。
ナビによればこの男も今後のイベントに必須になるらしいからな。
そういや、気になった点が一つある。
「なあ、ナビ」
「どうしたの?」
「イベントをすっとばして光水晶まで辿り着くことが出来る?」
「不可能よ。最初の光水晶がある神殿を見たでしょ?」
ああ。
確かあの神殿にはゾンビがうようよいた。
ってことはもしかして
次の神殿には、もっと厄介なモンスターがいるのか?
「ご名答」
そうか、このイベントもそのためにあるのか。
しかし、この男より強くなるのは可能なのか?
ホント、無理ゲーな気がするのだが。
だけど、やるしかない。
僕の鍛錬が始まる。




