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異世界探検(ナビ付き)  作者: ライプにっつ2
アスターシャ編
14/84

第十四話「アスターシャ」

「何だ!? 貴様は!?」


 本当に時が進んでいる。

 冗談じゃなかったのかよ。


「あれ? 銃がない」


 一応銃などの凶器は取り上げて置いたから大丈夫だと思うけど。

 とりあえず


「大人しくしろ、死にたくなければな」


 僕は、アジト(らしきもの)のボスに剣を突きつけた。

 何か僕が悪人みたいでやっててあまり気持ちいいものではないな。


「ヒィィ、お助けを」


 ボスを人質に取ることは成功した。

 さて、


「君、大丈夫かい?」


 女の子は何も言わなかった。

 女の子の表情は硬い。

 そりゃそうだ。

 普通、剣を握り締めてる男がいたら

 怖くて何も言えないよなあ。


「大丈夫、君を助けに来たんだよ」


 とりあえず女の子に敵意がないことは伝えておく。


 すると、女の子は


「本当ですか!?」


 とさっきまで硬かった表情が一気に和らいでいた。

 あまり期待してなかっただけに予想外。

 だが、まあ良かったよ。


「僕についてきて」

「はい! 私は私は貴方についていきます!!」


 僕はボス君を人質に取り、この建物から出ようとした。

 こいつの手下共は皆焦っていた。

 ボスを人質に取られているというのもあるかもしれないが。

 皆、武器がないことに驚いているのだ。


 僕と女の子はそのまま建物の入口から出て行った。

 人質だったボスを解放し、報復が来ないように女の子の手を引いてスラム街から離れた。


「フーッ、一時はどうなることかと思ったぜ」


 そういや、この女の子をそのまま連れてきたわけだが。

 家どこなのかな?

 家族の元に返さないとな。


 それを聞こうとした瞬間。


「その女の子は光水晶を手に入れる段階で必要となる」


 とナビから声がした。

 どういうことだ?


「どの道、その女の子もお前についていくだろう」


 とナビは言った。


「貴方の名前が聞きたいなと、私は私は思うのです」


 女の子が僕に向かって声を発した。


「ああ、僕? 僕の名前は南井雅人って言うんだ」

「変わった名前だなと私は私は思うのです」


 まあこの世界ではそうなのだろう。


「君の名前は?」

「私は私はアスターシャって言います」

「君の家族はどこに?」


 ナビが言ってることが引っかかるが。

 一応彼女を家族の元に返してあげたい。

 しかし、


「私の家族は、もういません」


 アスターシャの目には涙が溢れていた。

 アスターシャは語った。

 自分はスラム街の出だということ。

 家族はさっきのやつらに殺されてしまったこと。

 自分は売り物としてあの場所に縛り付けられたことなど。


 僕はその話をただ黙って聞いていた。


「!?」


 何だ?

 何かが頭をよぎった感覚。

 分からない。

 ナビの仕業か?

 変な感覚だ。


「どうしたんです? 大泣きしてましたが」

 

 アスターシャが僕を心配してるかのように声をかけてきた。

 僕、泣いていたのか?

 自分でも気付かなかった。


「ということなので、私には家族はいないのです」

「なあ、アスターシャ」

「何ですか?」

「僕が君の家族になってもいいかな?」

「家族?」

「ああ、君がそれでいいなら僕は君を連れて行くよ」

「本当ですか?」


 アスターシャの目は輝きに満ち溢れていた。


「よろしくお願いします。お兄様」

「お兄様はやめてくれよ」

「え? じゃあ、まさか旦那様!?」

「それも違う、まあ、お兄ちゃんでいいよ」

「分かりました。お兄ちゃん」

「家族なんだから敬語もやめてくれよ」

「それは私の私の癖なので治しません!」

「はいはい」


 こうしてアスターシャが僕の仲間(家族)に加わった。

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