第十二話「二人の覆面」
ナビが不調な理由が判明した。
まずこいつの状態を整理しよう。
光水晶まで案内するのがこいつの役目。
だが、こいつの言い分によると。
どうやらとあるイベントをすっとばしちゃったらしい。
てへぺろって言われた。
…………。
てへぺろじゃねーよ!!
だいたい何だ!?
案内役だろ?
それくらいのイベントくらい分かるだろ。
その旨をナビに言っても
「誤作動が起こって機能しなかったから仕方ないじゃない」
の一点張りだった。
うん、むかつく。
しかもそのイベントが。
この街のスラム街に行ってとある女の子を救ってこいという曖昧なものだ。
ナビはそこまで案内すると言ってるけれど。
こいつの能力当てになんのか?
いやお金を変換する能力とかは有難いけど。
それだけじゃん!
他は爆発音で僕を起こしたりする能力だけど。
正直あれ、いらないよね?
自分のペースで生活習慣送りたいわあ。
そんな文句を言ってもどうせ
「ちゃんとした、生活習慣を送らないとダメじゃない」
という、いかにも自分は当たり前に出来てるよみたいに言い返してくるのだろう?
まあ、どうせシステムがどうとか言ってるから。
こいつは何かの機械なんだろう。
そもそもこいつに生活習慣という概念があるかは分からんが。
まあ、そんなことはどうでもいい。
大事なのは今のイベントだ。
スラム街の女の子を救う。
この街の西にはスラム街があって。
そりゃスラム街だから治安が悪いらしい。
ということで早速向かうわけだが。
その前に服を新調した。
前々から視線が気になってたからな。
安いものでいいから、この世界の服装には合わせておきたい。
店員さんからは
「珍しい服ですね。売ってもらえませんか?」
と言われた。
もちろん売ってやった。
別にこの服に愛着はないし。
高く買い取ってくれるということで、金銭的にはすげえ助かる。
お金はナビに預けておいた。
こいつにはこれぐらいしか使い道がないからな。
さて、スラム街にたどり着いたわけだが。
こいつはひでえ。
建物はボロボロ。
道端には死体すら転がってるほどだ。
あまりの酷さに吐き気を覚えるほどだ。
まさか女の子を救えって、悪い集団から女の子を守れってことなのかな?
僕、そこまで強くないんですけれども。
本当にこれでよろしいのかな。
女の子を救い出す前に。
僕がヘルプミーと叫んでしまいそうだ。
そんなことを考えるうちにとある建物についた。
スラム街にしてはしっかりしてる建物だ。
その建物の入口を探した。
うわうわうわうわ。
入口は見つかったが、入口前には銃を持った覆面が二人もいるよ。
「ナビ」
「どうしたの?」
「僕に死ねって言いたいのかな?」
「安心して、あなたは死なない」
何だ?
まるで僕に不死身な能力があるみたいな言い方だな。
でもそれはないだろう。
僕が自分の腹に剣を突き立てたとき、ナビは焦っていた。
ってことは僕はこの世界で死ぬことはあるということだ。
「とにかく、目の前の二人から銃を取り上げて」
ナビが僕に指示をだした。
そんなこと可能なのか?
僕は疑問を抱きつつ。
二人の覆面に近づいた。
そういやイメージだけど。
覆面って変態がすることだよね。
ってそんなこと考える余裕はないか。
とりあえず殺されないことを祈るけど。
まじで大丈夫なのか? これ




