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転生した悪の救世主  作者: レインコート
転生してから
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七話 ゼーマとコレット【後編】

四次試験がとうとう始まる。

四次試験はチーム戦だ。せっかくだからまとめると、


• 三人一組のチーム。

• 総戦力を等しくするため、各自の今までの総合点の合計の平均が同じになる様にチームは組まれる。

• コレットはずば抜けているため、必然的に最下位二人と組むことになる。

• 場所は二次試験と同じ場所。

• 失格の対象は味方の補助に渡されるガラス玉が割れるか、味方一人が死に至る程の攻撃を受け強制返還された場合。(なお、ガラス玉に強制送還装置があり、半径12m以上離れた場所で致死傷を負うと死んでしまうので注意)

• ガラス玉を割った数だけそのチームは得点がもらえる。

• チームの得点➕個人の活躍が今回のポイントである。

• 補助、接近、遠距離がそれぞれ違う役割の戦い方をした場合、連携をしようとしない者とみなされる。チームワークを崩し仲間を危険にさらすと判断し減点対象にされる。

• 減点対象にされた場合、最高でマイナス10である。

• 試験は残りのチームが200チームになるまで行う。

• これを全部で二回繰り返す。

• 二回目は一回目とは違う役割になる。

• 二回目は総戦力を再び等しくするため一回目の得点を参考にもう一度チームが組み直される 。


これがルールである。他は、なにをしてもいい。相手を殺そうとしても、魔法により強制返還される。魔術、武術、崇術全て制限なしに使える。これは非常にラッキーだった。


後はこいつらが足手まといにきならなければ勝てるぞ。俺は怪しく笑い、チームメイトをみた。雑魚である。しかし今回は俺が補助だ。こいつらにがんばってもらわなければならない。どちらかに致命傷が出た場合、二回目まで、得点は出来なくなる。…いや、待てよ…。これってもしかしたら……。

やはり!これなら大丈夫だ!

俺は天才だと改めて思い二人に声をかける

『これ、勝ちにいこうぜ?』



『なんだあいつ?物すげぇ速さで敵を殲滅してくぞ?』

『いけー!反則ガキンチョ!』

周りからの野次を無視してガラス玉を破壊する。

『うおぉぉるぁぁああ!』

バリン!26個目のガラス玉が割れる。


俺たちは只今全力で反則中だ。



『いいか?お前ら二人は俺を補助しろ!』

『は?』

『なんで?』

二人の不機嫌な顔と反応を見ながら勿体ぶる。因みに二人の名前はヒメコとマク。崇術だけズバ抜けているのは確認済みだ。

俺の案はこうだ。先ずは他のチームを見るとある決まりが分かる。それはチームで一番強い奴が補助に回っているということと、一番弱い奴が接近になっていることだ。

これを利用する。先ずは俺が全力で接近を殺さない程度に潰す。続いて殺しに行くと見せかけ、遠距離を無視して補助へと急接近。後、ガラス玉を奪い取り割るのだ。

ここで大事なのが、接近を殺さない程度に潰すことだ。先ず、接近を殺すと強制返還され逃げられてしまう。こうなるとこちらにはポイントが入らないのだ。そしてなぜいちいち潰すのかは攻撃することにより、相手が相当馬鹿でなければ強制返還されないため焦る。そして接近を回復しようとするか、遠距離を守ろうとするかのどちらかに集中するはずだ。その一瞬の隙をつき、ガラス玉を割る。

本当ならばこうも簡単には行かない。しかし、減点対象にされないために皆の行動が制限される。それに比べて始めからルールを無視して減点をMAXのマイナス10にされている俺たちは減点などに縛られずに暴れまわっていられるということだ。

その上、強い奴は全員補助に回っているため、俺には攻撃が出来ない。しかも、俺には二人掛かりで崇術による補助がされている。

とりあえずこれでプラマイゼロになり、それに加え、16ポイントもらえてる。このまま行けば、大きな差をつけることができる!


そんなことを考えていたら、また前方に敵チームが現れた。

『よし!しまってくぞ!』

『おう!』

『了解!』

三人で走り出した。相手は…しまった!コレットがいる!マズイぞ!

今までの試験では一度も見せなかった術。未知なる実力だ。しかし!今は補助に回っていて俺には攻撃が出来ないはず。調子に乗りやがって。年貢の納め時だ!!

『戦い方は見てたよ。』

そんなことを口にするとこちらのガラス玉に向かって恐ろしい速さで何かを投げてきた。ガシャン!投げられたのはガラス玉だった。

失格となり広場へと強制返還される。

『すまん!油断した!』

俺が正直に答えると二人は

『まさか此処まで点数をもらえるとは思わなかったよ』

『その通りだ。いい経験ができた、ありがとう!』

二人はニコニコしながらそんな言葉を投げかけてきた。点数…そうだ!

はっとしてどのくらい点数を稼げたのか得点板を見る。俺たちは…ずば抜けて三人で一位の座に君臨していた。

『おっし!』

思わず表情がほころんだ時驚くべき事実に目を見張った。なに?

そこには最下位のマイナスの得点であるコレットの名前が刻まれていた。



どういうことだ?

最後に俺に向かって攻撃してきたため減点対象にされたのはわかるが、それまでに一人も倒せなかったということか?コレットのマイナス9がそれを物語っていた。つまり、目立つことなくなにもしなかったということだ。

なにやってんだか…。観客もガッカリしている様子だった。


いや、まてよ。コレットの事だ。どうせこの後大番狂わせをして来るはずだ…。この次の組み合わせが、受験に繋がるとも言えるだろう。いい組み合わせになってくれるといいのだけど…。


そして、俺はまた目を見開くことになった。開いた口が塞がらない。いや、予想すれば必然的だったのかもしれない。

コレットが接近の前衛の役割になっていた。あの魔物を楽々一捻りできる奴だ。戦わずに睨みつけるだけでも効果はあるだろう。

しかし、俺はそのことよりも、もっと驚かされたことがあった。チームメイトだ。チームメイトに、コレットが入っていたのだ!

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