表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した悪の救世主  作者: レインコート
転生してから
20/29

十九話 涙

サクメちゃん達の国は、独自の魔術を使うことにより発展を続けていたそうだ。そんな中、その独自の魔法を使えるものと、使えないものが出てきたそうだ。

因みに鬼と小鬼の違いは、日本で言う天皇と国民の違いと似た感覚。つまり、小鬼は何をしても、鬼にはなれないのだ。敬う対象であり、目指す対象ではないのだ。

話を戻す。その使えないものが反乱を起こしたそうだ。なんでも、差別を受けていたらしい。しかも差別した方は無意識であり、真っ向から否定したらしい。我慢できなくなった奴らは、そのまま国から独立し、近くに国を作ったそうだ。その国を滅ぼしてほしい。ということだ。

「仲間じゃないのかよ?」

「彼らの行動には目に余るものがあり、終止符を打たなければならないのです。彼らは私たちの力を持てなかった代わりに、別の力を手にしていたのですから。」

独自の魔術の時も、遠回しに話され詳しい話はしてくれなかった。それ程他言したくないことなのだろう。わざわざ聞くほどでもないし、聞かなくていいか。

「……。そうか。理由は後でゆっくり聞かせろ。」

滅ぼしてほしいのにはもう一つ理由があるらしい。つい最近までは、両国は緊張関係だったそうなのだが、昨日隣国側から、攻撃があったのだとか。

「昨日の昼くらいに、ゴブリン共が攻めてきやがったんです。」

と言うわけで、今まさに戦争中ということだ。ってあれ?ゴブリン?

「あぁそうだ。私たち独自の魔術を使えない奴らは、ゴブリンと、そう呼ばれた。」

ここでゴブリンが来るとは…。俺は小鬼に目をやる。見た目とかそっくりなんだろうな…。

戦争の規模はゴブリンはともかく、サクメちゃん達は全力を注いでいるそうだ。

「ふーん。大変だな。」

「あいつらは卑怯で臆病だ!正々堂々と戦いもしないで、自分達が最強だと抜かしてやがる!我々が…」

こいつ、サクメちゃんには丁寧な言葉遣いなのに、俺にはタメ口だと?戦争中で大変だからとは言え、ちょっとは…戦争中?

「おい、今戦争中なんだろ?」

ベラベラと愚痴っていた小鬼が話を止め、俺の質問になぜかニヤリとする。さっきまでボロボロだったのに、その元気はどこから来てるんだ?

「当たり前だろう?だから、あのゴブリン共に一泡吹かせt」

「なんでお前たちはここにいるんだよ?」

戦争中なのに、どうして国の最強部隊を戦地から連れてきてんだ?その間に国が落とされる可能性もあるにもかかわらず。

「なぜいてはならない?」

うっ、質問を質問で返されると混乱するものだ。なぜいてはならない?だと?

「国を守らなくていいのかよ?」

「ここをどこだと思っている?」

なんだと?話が噛み合わないぞ?此処はどこか?そんなの知るわけないだろうが!イライラする気持ちを抑えていると、

「じぃ、きっとここら辺に詳しくないのよ。意地悪しないで教えてあげて?」

とサクメちゃんが代弁してくれた。優しいな。って優しくねーよ!サクメちゃんが直接教えてくれればいいじゃん!って言うかじぃって名前付けてるし!じぃも反応してるし!もう、わけわかんねぇ!

「ここは私達の国と、ゴブリンの国の丁度真ん中にあたるの。」

んんん。なるほど、ここが中間ならさっきの小鬼たちは、自国から敵国に出陣しているところだったのか。つまり、戦場に出陣しているということか。何から何まで本当に悪いことをしたな。で、結局サクメちゃんが説明するんだな、どうでもいいや、もう。

俺が頭の中を整理して、感嘆していると、サクメちゃんがはっ!と何かを思い出したように焦りだした。

「姫様、どうかなさいましたか?」

「大変!兄様とお父様と、を置いて助けを呼ぶ途中だったのを忘れていたの!」

そんなこと忘れるもんじゃねーだろ!サクメちゃんは兄様とお父様まで言ってから、俺たちを見て戸惑いを見せた。おそらく三人目を隠したのだろう。しかし、俺はひっきり見ているから、後で時間があったら聞くがな。

なんだかんだでどこか抜けているサクメちゃん。じぃも一緒に慌て始める。

「だから言ったではありませんか!あなた方が戦場には出向いてはならないと!」

慌てふためく2人を前に俺はその人たちを探す。そして、2人の背後の茂みを指差しぼそりと呟く。

「その人なら、向こうで2人倒れてるぞ。虫の息だ。もう長くはないだろう。」

固まる2人を見て、俺はひどく後悔した。なんて残酷なことを言ってしまったんだ。もっと言葉を選ぶべきだったな。

「嘘、でしょ?」

俺が謝るよりも早く走り出すサクメちゃん。それを追いかけるじぃ。俺も後に続く。見に行かなくても、どんな状態かわかるのけどね。お腹に大きな穴があいている。どんな武器でかはわからないが、腹を一突きにされたのだろう。もう一人は、骨折程度で済んだようだが、一歩間違えれば死んでいただろう。肋骨が折れ心臓に刺さりそうだから、死んだも当然か? 何故そこまでわかるかは、耳を澄ませ音を頼りに確認したからだ。因みに場所を探すのは血の匂いがあったので困らなかった。

「兄様!お父様!しっかりしてください!」

「お気を確かに、国王さま!」

苦しむ2人に声をかける2人。何故魔法を使わないんだ?と、ふと疑問に思った。

「魔法は使えないのか?」

「魔法などたいそうなもの使えるわけないだろうが!」

「え?傷とか治せないのか?」

「私達には使えないんです…。」

「他の者がこの場にいれば!」

うっ、精神的ダメージが!

「こ、ここからお前たちの国までどのくらいかかるんだ?早く連れてけば間に合うんじゃ?」

「間に合うわけなかろうが!」

え?だってさ、ゴブリンの国は小鬼の国の近くに作られたとか言ってないっけ?

「ここから走り続けられたとしても精々30分。走り続けることなどできない上、2人を連れて行くのでは、間に合いません…。私がもう少し早く思い出してれば…。うぅ。」

サクメちゃんが今にも泣き出しそうだ。何度見てもこの二人はイケメンだな。

「お前たちの国に行けば直せるんだよな?」

サクメちゃんを泣かせるわけにはいかない!

「だからもう間に合わないんだよ!」

「いいから!兎に角方向を教えてくれ!」

出血多量だが、まだ2人とも息がある。俺は手際よく2人の服を破き腹に巻きつけ圧迫し、これ以上の出血を抑制する。そこら辺の枝を折り、男の折れた四肢に巻きつけ固定する。普通なら手遅れにも程かあるが、魔法の力はきっと凄いに違いない!

俺の行動に圧倒されじぃが手を挙げ

「あっちの……方向だ…。」

と俺が来た方向と直角の方向を指差す。その方向を向き、2人を担ぎ上げる。

「でかした。サクメちゃん、必ず助けるから安心して。じぃ!お前も国に撤退しろ。サクメちゃんを絶対傷つけるなよ?」

そう言い残し、俺は夜空をものすごい速さで飛行した。それを見守るかのように優しく星が瞬いていた。


前話は同じものを投稿してしまい申し訳ないですT^T

クリスマスに浮かれてて気付きませんでした。以後気をつけますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ