ギルド到着
ギルドの建物は、
思っていたよりも開放的だった。
石造りの壁に、薄く水が流れている。
装飾というより、
街の一部みたいに自然だ。
「・・・・入りやすそう・・・」
人の出入りは多いけれど、
騒がしい感じでもない。
初心者でも、拒絶されない空気が流れている。
・・・・・そう感じてしまうのも、不思議だ。
異世界の常識なんて、本当に何も知らないはずなのに
それなのに・・・・
”ここは安全”と判断している。
視界に、小さい文字が浮かぶ。
【残り猶予時間:2時間48分】
「・・・減ってる」
私は、扉に手をかける。
その瞬間・・・
ふっと、頭の中に”段取り”が流れ込む。
①受付
②登録
③最低限の質問
「・・・・えっ!?」
思わず声が漏れる。
どうやら、アドバイスを追加してくれたみたいだ。
「アドバイスというか・・・、マニュアルね!」
苦笑して、私は扉を押した。
中は想像よりも、暗くて静かな場所だった。
掲示板、依頼書、静かに談笑する冒険者。
そこには、秩序がある。
私は、自然と視線が一番混雑していない受付へ
向かう。
「はいはい・・・、猶予時間が無いから
混んでる所は避けるべきって事ね!」
ツッコミを入れながら、受付へ向かう。
列へ並ぶと、先ほどの段取りは頭に入っているが
ドキドキが止まらない。
そう・・・営業先の待合室で待っている
変な緊張感・・・。
「以外と私・・・緊張している・・・」
視界に浮かぶ文字の、時間はどんどん減っている。
この猶予時間は、転移した時の
”会社の支店扱い”だから・・・なのか?
そんな風に考えていると、私の順番となった。
私は、深く息を吸って口を開く。
「すいません。初めてなんですけど・・・・」
その瞬間。
地面が、わずかに揺れた。
空気が重い。
何かが、こちらを見た気配がした。




