ナビは、まだ動いている
私は、ギルドへ向かう為
街の中心へ向かって歩いていた。
情報が集まり、
人の出入りが多く、
安全が確保されている場所。
「・・・・うん」
判断としては正しい。
正しいはずなのに・・・・・
歩きながら、ふと気づく。
「・・・・・あれ?」
立ち止まり、周囲を見る。
水路が交差し、
石畳の道が枝分かれしている。
本来なら、迷ってもおかしくない構造だ。
「私・・・地図も見てないよ・・・」
なのに・・・
足が止まらない。
曲がる場所で、自然と身体が動く。
迷う前に、正解の方向を選んでいる。
「・・・・どうして?」
答えは、すぐに浮かんだ。
「そういえば・・・!」
街へ向かう際に、光が進むべき道を照らしてくれた。
「まだ・・ナビしてくれるんだ!」
元の世界の、社用車。
最新型のナビ。
「目的地を設定すれば、勝手に最短ルート出してくれるやつ・・・」
渋滞も、工事も、ちゃんと避ける。
私は、少しだけ納得する。
文字に出ている通り
この世界は、元の世界とリンクしている。
便利だとは思う。
でも、便利過ぎる。
異世界向けじゃないはずだ。
私向けだ。
元の世界の私を、
ちゃんと知っている誰かが
組んだみたいな・・・・。
仕事用の環境が、
そのまま異世界になっている。
「・・・・そこが、一番不思議」
足を止めずに、考える。
しかし、答えはでない。
けれど、
「今は、使わせてもらう!」
残り時間は、確実に減っている。
遠くに、人の集まる建物が見えた。
表示板に、出入りする人影。
「・・・・あれだ!」
全力で走って、その建物へ向かう。
私は、目的としていた
ギルドの扉の前に立った。




