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第一部完【連載版】思ったよりも異世界が楽しすぎたので、このまま王都の片隅でポーションスタンドでも始めてのんびり暮らします。  作者: 雉子鳥幸太郎
第一部

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魔力はイメージ

ポーション作りもこなれてきた頃、何となく自分のスキルをチェックしてみた。


「ゼミエル……おぉっ⁉ れ、レベルが上がってるっ!」


 ――――――――――――――――――

 名前:神楽木 凪(かぐらぎ なぎ)

 年齢:21

 種族:ヒューマン

 職業:錬金術師見習い

 適性:錬金術師

 体力:A

 魔力:S

 スキルポイント:200

 スキル:錬金術LV2 多言語理解LV2 鑑定LV2

 鑑定阻害LV1 生活魔法LV2

 ――――――――――――――――――


あれ? 他も全体的に上がってる!

なんか実感はないけど嬉しいな。


職業も『錬金術師見習い』になってるし、良い感じ!

いつまでも『浮かれた異世界人』じゃかっこ悪いもんね。


ん? また、スキルポイントが増えてる……。

ちょっとずつ増えるものなのかな?



「ねぇ、ナギー。これ……またポーションの質、上がってない?」

「え?」


木箱に詰めたポーションを検品していたカレンさんが、私に瓶を見せる。


「ちょっと待ってくださいね――鑑定」


――――――――――――――

名称:ポーション

品質:★★★★☆

効能:軽度の裂傷や熱傷、感染症など幅広く高い改善効果をもたらす。

――――――――――――――


「あっ⁉ 四つ星に!」

「四つ星⁉ すごいじゃない!」


「高い改善効果となってますね……。何でだろう、いつものレシピ通りに作ってたはずですが……」


「ん~……」

カレンさんは顎に手を当てて考え込んでいる。


「これは師匠が言ってたんだけど……稀に高い魔力を持つ人がいて、そういう人は同じレシピでも強い効果を持つ物ができたりするらしいのよ。たぶん、ナギは魔力が高いんじゃないかな?」


言われてみれば私の魔力はS……。

なんか複雑な気分だ。


「高いと思います……」

「だよねー。まあ、予想はしてたけどさ。だとすると、ナギの場合はイメージの調整も練習した方がいいわね」

「イメージの調整?」


「そう、私の場合は、ポーションを作りながら、自分の魔力を水だと思って一緒に注ぎ込むようなイメージかな」

「タイミングとか……そういうのはいつでも良いんでしょうか?」


「うん、別に正解はないからね。自分で試してみるといいわ。要は、自分の持つ魔力を具体的にイメージするでしょ? それをポーションに込める量をイメージするって感じかな?」

「なるほど……じゃあ水みたいな方が量のイメージがしやすいですね」


「まあ、人によるとは思うけどね。そういえば、師匠は角砂糖だって言ってたなぁ」

そう言ってカレンさんがクスッと笑った。


「あの、カレンさん、嫌だったらすみません。師匠のことって……聞いてもいいですか?」

「ん? 嫌じゃないよ、平気平気」


「どんな方だったんですか?」

「んーとね、見た目はおっきい熊みたいだけど、優しい人だったよ」


「優しい熊……?」

「あはは! ごめんごめん、他に良い説明が浮かばなくて。でも本当に見た目は熊みたいだったのよ。王都の錬金術大会で優勝したこともあるし、名の通った錬金術師だったわ」


「お名前はなんて言うんですか?」

「アレイスタ・グリズリー」


思わず吹き出しそうになったけど我慢した。

カレンさんの表情を見ていると、師匠とは本当に良い関係だったんだろうなと想像が付く。


「まあ、師匠の話はまたゆっくりね。いい? 魔力は一にも二にも"イメージ"よ。自分にとってわかりやすければ何でもいいから、じっくり考えてみて」

「はいっ、わかりました!」


カレンさんはポーションを木箱に戻して、店の方へ戻っていった。

よしっ! イメージ、イメージっと。


魔力か……。

私は自分の中にある魔力をイメージしてみる。


うーん、あれ? 意外と難しいかも……。

こう、イメージが定まらないというか。


水だと思っていても、急に砂みたいな感じに思ってしまったり……。


さっきの師匠の話を思い出す。

角砂糖か……たしかにイメージはしやすいかも。

量も角砂糖何個分とか、きっちりできそうだし……。


ちょっと試しに角砂糖でやってみようかな。

私はポーションを作りながら、角砂糖を入れるイメージをする。


「とりあえず、三個から……」


地水をかき混ぜながら、イメージの角砂糖を三個入れる。

うん、これでどうだろう。


「……ふぅ、鑑定」


――――――――――――――

名称:ポーション

品質:★★★☆☆

効能:軽度の裂傷や熱傷、感染症など幅広い改善効果をもたらす。

――――――――――――――


「あっ⁉ 三つ星……もしかして角砂糖の個数で?」


私は慌ててもう一本、次は角砂糖を二個にしてポーションを作ってみた。


「……鑑定」


――――――――――――――

名称:劣化ポーション

品質:★★☆☆☆

効能:すりきずや軽いやけどに多少の改善効果をもたらす。

――――――――――――――


「で、出来た……」


え、こんな簡単にできていいんだろうか……。


それから、何度も試した結果、角砂糖の個数で品質を調整できることがわかった。

さすが師匠の師匠……! ありがとうございます!

私は心の中で想像の師匠に手を合わせた。


あ、ガムシロップとか蜂蜜でもイメージしやすいかも……。

なんか魔力がぎゅっと濃縮された感じが良さそう!


ちょっとやってみようかな。


「ふんふ~ん♪」


今度は大さじにトロっとした蜂蜜を垂らすイメージ。

うん、美味しそう……。


それを地水に一杯、二杯……おまけにもう一杯入れてみよう!

ふふっ、良い感じかも。

さてさて……。


「鑑定」


――――――――――――――

名称:ポーション・ゴールドα(アルファ)

品質:★★★★☆

効能:高い治癒効果、特に感染症に強い効果を発揮する!

――――――――――――――



「え……なにこの既視感?」


ありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
可愛いビンな上に美味しいポーションを大量に作れば・・・ ポーション中毒者が出てきてしまう
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