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僕の楽しい学園生活~これでいいですか?~

「芽吹ノ風学校」に通う高校1年生、「僕」。友人である愛花、そしてガーラが退学(死亡)してしまった。なんでこうなってしまったんだ。そして何かに気がついた奏と奏愛。これから僕らの学園生活は一体どうなってしまうのか。


(この作品は序盤から読んでいただくと世界観が掴みやすいかもしれません。もしこの話を初めて見た方は良ければ1話からもご覧下さい!)


この世界は神によって作られ、その下の天使と悪魔によって発展してきたらしい。途中でトラブルが起こったようだけれど。私は早く。早く、アイツを止めなければならない。またあんな惨状になる前に。いち早く。そんな事を考えながら今日も一人校長室で仕事をサボる。

 

 愛花が退学した日から数日が過ぎた。どうやら風紀委員は奏愛君が一人でやってるようだ。奏君は精神が崩壊して、ずっと一人で喋ってるらしい。もう一人の心操というやつ、あれはどこかへ消えたらしい。元々愛花達の力で心操を作っていたようなものだったらしく、主な力である愛花がいなくなったことで心操というあの人形は壊れてしまったのではないか、噂されている。あくまでも噂だけど、残された奏君と奏愛さんは大丈夫なんだろうか、いや、大丈夫じゃないな、そう思い僕はまず奏愛さんの所へ向かった。

 

 「えっと、生徒会室は…。ここだったっけな、失礼しまーす、」

「…………」

「あれ?誰もいないのかな?すみませーん、奏愛さーん、大丈夫ですかー?」

「あら、貴方は、」

そこに現れたのは一人の綺麗な女性だった。淡い金髪で瞳は薄暗い深海のような青い瞳。そして膝丈の純白のワンピースを着ていて、部屋の中にも関わらず麦わら帽子を被っていて、麦わら帽子には瞳と同じような色の薔薇が飾ってあった。

「貴方は、……。そうね、僕ちゃん、で合ってるかしら?」

「えっと、貴方は、確か…。」

「えぇ、私は楓よ。この委員会の顧問をしているわ。」

……。前と違う…?確か、いや絶対。アイツは、アイツの名前は「モミ…」

「あれ、顧問…。」

「僕ちゃん?あ、そうだ、貴方はあれよね、そう、奏愛の様子を見に来てくれたのね。こっちにいるわ、どうぞ、」

「あ、ありがとうございます!奏愛さん、もしかしてどこか体調が悪いんですか、」

「まぁね、まぁ、少し働きすぎってやつかしらね、さぁ、こっちよ、」

そして扉の前に着いた時、楓さんがボソッと呟いた。

「あ、僕ちゃん、愛花と、それと弟と仲良くしてくれて、ありがとうね。」

「?よく分からないけど、弟?いえいえこちらこそ?あ、ありがとうございます、奏愛さーん、大丈夫ですかー。」

そうして僕はそっと扉を開けた。そうしたら信じられない光景が広がっていた。

「ん、あ、あぁ、僕君か。久しぶりだね。元気だった?」

そこには元気に振舞おうとする奏愛さんがいた。目に前のような光は無くなっており、綺麗でつやつやだった髪も少し荒れているように見えた。僕に特殊な能力はないけれど奏愛さんの心にぽっかり穴が空いていたことが分かった。こんな時に失礼だが……。

「奏愛さん、あの、失礼なのは重々承知しているのですが……。」

「なんだよー、急に改まっちゃって、良いよ、なんでも聞いて。」

「じゃあ…、あの、心操さんってどうなったんですか、」

「あぁ、心…。いや、香心な。」

「香心、?それは。」

聞いた事がある名前だった。それは恐らくガーラに教えてもらった名前だろう。香心は。生徒会の一人だ。二人疾走しているうちの、一人だ。

「もしかして、聞いた事あるか?突然いなくなった二人の生徒会のこと。一人は聞いた事あるか分からないけど、柚香、もう一人が今言った香心だね。実は、香心は、僕らの幼なじみだったんだ。」

「……。」

「まぁ僕も最近知ったんだけどね、実は小さい時、よく一緒に遊んだんだよね。僕らの家と、香心の家、まぁ生徒会だね、そこが仲良くてね、特に僕と香心はよく一緒に鬼ごっこしたり、色々してたね、って、どうしたの…っえ」

その時何か言おうとした奏愛さんの口を楓さんが防いだ。

「こら、奏愛、お話しすぎよ、そろそろ横になりなさい。」

「あ、ごめんなさい楓さん。ごめんね僕君。あ、そうだ良かったら奏の所に行ってあげてくれないかな、わざわざ来てくれてありがとう。またね、」


 そう言われて僕は奏君の所へ向かった。奏君がいる所を楓さんに教えて貰って僕は奏君の所へ向かった。扉を開けたその先には、とても、とてもおぞましいものが広がっていた。

「奏…君?」

「!、あぁ僕君!ほら愛花!僕君が来てくれたよ!」

「あ!いらっしゃい!僕君!久しぶりー!元気だったー?」

寒気がした。そこには抱っこできるほどの人形と、そしてその人形に話しかけている、いや、人形で喋っている奏君の姿があった。人形は血まみれの服が着せてあり、ツインテールに愛花が付けていたリボンをつけてあった。黒くて目立たないだけで、あれもきっと沢山の血が着いているのだろう。顔は笑っているものの、奏君の目は完全に笑っておらず、なんなら焦点が合っていなかった。髪もボサボサでフケまみれ、虫も飛んでいる。とても、お世辞でも、百歩引いてでも入れる部屋とはいえなかった。奏君は、もうまともに動けなくなっていた。

「奏君、えっと…。」

「あはは、僕君どうしたのー?」

「ね、愛花、どうしたんだろうね、」

「あ!ごめんね僕君!そろそろ日記書かなきゃなんだー、体調も良くなってきたし、そろそろまた書かなきゃなーって!」

「日記…?日記?……。ごめん、あの、それ見せてくれない?」

「は?俺が許さないよ?愛花のプライベートだぞ!また今度見せてやるよ。」

「はは、ごめんごめん!ご、ごめんちょっと、あの、また今度!」

僕はあまりの激臭にその場を離れてしまった。あの日記は、少し気になったけど…。まぁいいや、また今度見せてもらおう。

 

 「日記日記ー!って……。」

 「なんだこれ。」

 少し時間はかかったが自分の目が覚めた。そして二人に話を聞きに行く。この世界の話を。

 

 「んー、奏君やばかったな…。あんな姿初めて見たかも…。また今度様子見に…」

「ねぇ、君。」

「ん、え?僕?」

「そう、君。僕は図書委員会、委員長。アリスだよ。覚えてるよね?」

「へ、へぇ…。図書委員会さん……。僕に何のごよ…」

「とぼけないでくれる?ねぇ。」

 

 「 」

 

 「ねぇ、これ。本当なの?」

 「僕もさっき気がついたよ。多分本当。愛花がこんなしょうもない嘘、書くと思えない。」

「「ねぇ、楓さん、紅葉さん。」」

 「ふふ、でもね、決めるのは貴方次第よ。」

 「そうだ。何が悪で何が正義か。決めるのはお前達次第だよ。」

 

 この善も悪も分からない世界で。

 

 そうだよ。また初めから。次は。次こそは。

ここまで読んで頂きありがとうございました。しばらく投稿してなくて、でも見てくださっている方がいて自分とってもびっくりして嬉しみでいっぱいいっぱいでした(笑)あともう少しでこの世界の仕組みに分かる方も結構出てくるのでは?まだまだこの作品続きますのでぜひ良ければ次回もご覧下さい!

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