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亀裂

初めの命である、(リリー)(イース)が進化を遂げ、そしてさらに新しい命、愛の子「ローズ」が誕生した。平和な世界はすぐそこに…

文明の発展とはいかに。

 発展とは、果たして良いものなのか、はたまた悪いものなのか。しかしそんなことをちまちま考える暇もなく少し呼吸をするだけで、「情報」というものが一切なかったこの世界に少しずつ文明が出来上がってゆく。

 

 新たにこの世界の王、神となった二人、リリーとイース。二人が産まれ、育ち、新たな感覚が産まれ。新たな命が一人。ローズが産まれた。やがて彼女は愛の子となった。ローズが産まれてから、自然が増え、常識ができ、命が増え、村ができ国ができ。やがて文明ができるまでの時間が過ぎた。それはそれは長い時間が過ぎただろう。最初の民達は純粋な天使と悪魔達が多かった。しかし少しずつその要素は薄れていき、特別な能力などというものはほぼ無く、強いて言えば肌の色、翼の色しか区別するものが無かった。それほど長い時間が経ち、幸せが増えていった。しかし幸せな時間とはそう長々と続くものでは無い。少しの亀裂はやがて大きくなり永遠に元に戻らないものとなることがある。民が、個々が自我が増えることでやはり争いは避けられない。この世界も例外ではなかった。リリーとイースによる対立が起きたのだ。最初はほんの些細なことだった。些細な喧嘩から世界をも巻き込んでしまったのだ。

 「え?省略しすぎだって?うるさいなぁ、今話した内容は、何十年何百年の話じゃないの。この話は万にも及ぶお話。そうちまちま話す訳にもいかないのー。まぁでもここはちゃんと話しとかないといけないのかな…。」

 

 リリーとイースが対立し、やがてそれは国、世界をもまきこんだ。そうしてリリー率いる天使軍。イース率いる悪魔軍。二つに別れてしまった。そうして始まる、世界で初めての「戦争」。

 

 沢山の命が散り、消えていった。この時からだろう。世界が崩れていったのは。でもやはり、文明や命の発展には必要不可欠なのだろうか。一つ良いことがあるとするならばそれはここから命を重んじるという考えが生まれた、ということだろう。

 

 戦争の時代の中で二人は思った。「あぁ、このままでは駄目だ。」と。二人とも仲直りがしたかった。二人は願う。もう一度平和な世界で皆と笑って過ごしたい、と。しかし戦争が続いているこの世界で、やっぱ無し、ということは不可能であった。でも、この状況はいけない、という事で二人は数百年ぶりに話をした。それは約一週間以上も続き話は浅い所から深いところまで、楽しい話から悲しい話まで、数百年とは思えないほどの話をした。そうして二人は再び手を取り合い世界を平和へと導く事にした。

 

 しかし現実はそうも上手くいかない。生まれてしまった亀裂はそう簡単に元に戻すことは出来ないのである。そうして二人はある賭けに出ることにした。それは

「生贄」

である。

二人は自分達を世界の創造神である母に身を捧げ、世界の平和を祈る事にした。周りの者は皆止めたが二人の意思はとても固く、世界に愛を告げ、そして我が身を滅ぼした。

 

 母がそれを聞き届けたのか否か。誰にも分からないがやがて世界が平和になりだした。戦争も数年たって落ち着き、皆が手を取り合い出した。天使も悪魔も関係なく皆が平等になりだした。そして神の気まぐれか、はたまた贈り物なのか。この世界の情報に新たな常識が加えられた。それは、魂の輪廻である。それが一番大きかったのだろう。この情報はいつの間にやら皆の常識に埋め込まれていた。しかし生まれ変われるからと言って命を粗末にする訳ではなく戦争を通して皆が命を大切にし、今という貴重な時間を大切にするようになった。

 

 

 「ねぇ、ローズ、やっぱりこのままじゃいけないと思うの、」

「今更ですかー?私だいぶ前から言ってますよね!早く仲直りして下さいって!ほんと怒りますよ!?年々兵士は減っていき、民も少なくなり、農作物も育たず…。天使と悪魔間では完全な距離があります!今の時代天使差別、悪魔差別なんて言葉もできたんですよ?ほんともうどうにかしてくださいよ…。私だってもう駆り出させるのは疲れるんです!」

「んー。でもどうすればいいの!わからないよぉ…。やっぱり王様なんて無理なんだよぉ。」

「だーかーらー!仲直りして下さいって!何回も言ってますよね!また二人で少しずつ世界を作っていけばいいじゃないですか!大体、この世界をここまで作り上げたのもあんた達なんですよ!私だって今色々問題抱えてんですから…。」

「うぇぇ…。仲直りなんてしたことないもん…。ローズどうにかしてぇ…。」

「はぁ…しょうがないですね…。今回だけですよ!」

「うわぁぁん!ありがとぉぉ!さっすが私の子!キラン」

「指ささないでください。あと効果音も自分で言わなくていいです。ビア、!」

「はい、ここに。」

「今日の午後、日が落ちたらとぉに…あ。」

「ローズって昔からその呼び方の癖ぬけないよねー、かわちぃねぇー、私はもうかか様って呼んでくれないのー」

「ほんと黙ってください殺しますよ。」

「ひえぇ、恐ろしい子…。」

「えっと、お二人共…。よろしいでしょうか?」

「うるさい黙れストーカー」

「なんで…。」

「とりあえず日が落ちたらイース様の所に向かうから早く準備して!」

「とぉじゃなくて?」

「かかうるさい…。」

「きゃー!かわちぃー!嬉しい…。かか頑張るぅ…。」

「言わなきゃ良かった…。」

 

 「うわぁ…、かか緊張…。何百年も話してないもん…。」

「そろそろかかいじりやめません?ほら、さっと話すだけですから…。」

「ひぇぇ。ここで待っててね(泣)」

「その泣って看板どっから持ってきたんですか…。」

「えへへ、すぅぅ、はぁぁぁ。…。よし!行ってくる!絶対待っててね!」

「…!、ふふ、はいはい、わかりましたよ。」

冷たく広い廊下、そして大きくて豪華な、扉。リリーはイースと話すため扉の奥へと進んで行った。

「…。ふふ、あんな笑顔久しぶりに見た。なんだかんだ楽しみだったんだなぁ、」

……

 「……。」

 「……。」

(とても気まずい。でも、なんか話さないと…。)

「あ、えっと、げ、元気?」

「…。はぁ…。」

(え?すっごい睨むじゃん、すっごいため息じゃん、むっちゃ怒ってるじゃん。どうしよう助けてローズちゃん)

「で?なんか言うことないの?」

「っえぇ?い、言うこと?」

「しゃ、ざ、い、謝罪は?無いの?一言も?」

「は?」

「だから、謝罪、そっちが先言ったんだろ?」

「はぁ!?そっちが悪いんじゃん!てかそんな何年も前のこと引きずらないでよね!?」

「はぁ!?何言ってんだよ!お前のせいでなぁ!?」

「はぁ!?こっちだって!!」

 

(なんか争ってる声聞こえるんだけど…。とぉかか大丈夫かな…。)


「昔からお前って先走って自分勝手だよな、ほんと勘弁して欲しいわ」

「あんただって奥手すぎんのよ、なんも話さないじゃない。……。っー、言いすぎた。ごめん、」

「はぁ…。なんだよ、今更謝ったって…。」

「あんた、イース、なんか隠してない?」

「は?なんでだよ」

「あんたが隠し事してる時口への時でため息つくのよ、何回も言ったでしょ?」

「うわぁ…。ストーカーかな…。まぁいいや、実はさ、最近つけられてる気がして。女っぽいの、」

「うっわぁ…。思い出した。ローズもストーカーいるんだよね、今はローズの右腕みたいな、」

「大丈夫?それ…、」

 

 (わぁ、なんか良かった…。話の入り方変だった気がしたけど笑い声聞こえる。良かった…。)


 「あはは!なにそれ!」

「だろ?これほんと傑作でさー!」

「最近の悪魔って面白い子ばっかりだねぇ、」

「そっちもなー、」

そして二人の目の色が一瞬で変わった。それはまるで敵を目の前にしたような、鋭い目つきだった。


 「遅くなったね、イース、本題を話そっか、」

「っ、はは、先言われちゃったな。さて、」

「「どうしようか。」「どうしよっか。」」

 

 (な、なに?今なんて言った?聞こえなかった…けど、明らかに。雰囲気が、なんか。)

 

こうして明るい雰囲気と暗い雰囲気を繰り返し、何日もの長い話し合いは終わった。

 

 「あ、開いた。」

「あ、ローズ。久しぶりだね、元気そうでよかったよ。」

「イース様は少しお疲れなようで。」

「とぉ様じゃないのー?」

「ほんとしばきますよ二人共。」

「あははっ、あ、ねぇローズ。」

「はい?」

「私たちね、」

 

 

 「死ぬから」

 

 

「は……?」

ここまで読んで頂きありがとうございました!毎回読んでくださる方がいらっしゃって本当に嬉しい限りで。もしかして楽しみにして下さってる方もいらっしゃるのではと少し浮かれております。次回もぜひ見ていってくださいねー。


皆さんの周り。そしてあるいは皆さん、人を見た目で判断していませんか?真実を決めつけてはいませんか?例えば、うーん、ほら。あそこ。あそこの天使と悪魔。優しい顔つきの天使の子と無愛想な悪魔の子、天使の子はとっても優しそうで賢そうですね、一方悪魔の子は…。いかにも悪そうで…、あまり近づきたくはないですね。卑怯で、下劣で。そんな劣等種。暴力的だし仲良くしてても得はないですしね、では私は天使の子を遊びに誘ってきます。一応オトモダチなのでね。あ、それと悪魔の子と関わるとろくな事がないので天使の子には離れるよう言っておきますね。では、失礼します。

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