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第四話

 その島は要塞の跡地で、銛筒の砲身・砲台になりそうなものは

 

 すぐに集まった。


 住民達のほとんどは都市遺跡のサルベージを生業にしており、


 必要な道具類も貸してもらえた。ついでに手伝ってももらった。



 ゼロ達が所持していたものと合わせて、


 充分な量の火薬もそろった。






 

 その日の夜は、酷い嵐だった。



 あたし達は洞窟の製鉄所に一晩中篭り、知恵を出し合って


 特大サイズの銛筒の製作に奮闘した。




 休憩に出た時、吹き荒ぶ風の音に混じって


 怪物の悲痛な鳴き声が聞こえた気がした。






 夜が明けても、砂塵の嵐はまだ過ぎ去っていなかった。


 短い睡眠をとった後、銛筒の威力と精密度を上げるべく


 試行錯誤を重ねた。



 

 昼が過ぎ、夜が訪れ、また日が昇った。


 居住区の外れにある民家が襲われ、2人の犠牲が出たとの事だった。



 そして、また日が沈んだ。






 

 

 次の日の昼過ぎ、ついに特製銛筒が完成した。


 住民達に見守られる中、あたし達は台車を引いて狩りに出発した。



 

 出没頻度の割合とオリオの能力で、怪物の潜伏場所は目星がついていた。


 一昨日の夜襲撃された民家から、島の中央に向かって約1km岩場を進む。


 


 前方に聳えるは、黒い岩肌を剥き出しにした崖山。


 つっても、霧が深くて無能者にはほとんど見えない。


 オリオ以外の者にとって、視界は最悪。




 〝俺が目になる〟



 出発前、彼はそう言った。頼もしい限りだよ。




 

 雲行きが怪しかったので、急いでテントを張る。


 一時もしないうちに、酸性雨が降り始めた。




 灰色一色の世界が徐々に黒みを帯び


 それが真っ暗闇に変わった頃、どうにか雨が止んだ。


 酸性雨の中じゃ、狩りどころじゃないからな。





 干乾びたスイーパーの死骸を使って焚き火を燃やす。


 不完全燃焼を起こして狂ったように燃え上がる炎を囲い、


 男達はレーザーポインタ付きの猟銃を手に、懐中電灯の光を


 暗闇に走らせた。


 夜行性の大型ガグルってのは、光に寄ってくる。特に炎に。




 あたしは銛筒担当。メンバーの中で一番狙撃の腕がいいってことで。


 だが、こんなバカでかい引き金を持つのは初めてだ。




 

 

 




 その夜、現れたのは


 キュービー程の大きさの


 赤い鳥だった。




 オリオがカク出力式銃で止めを刺した


 その怪鳥は、神獣とは別物だった・・・。


















 




 ザックがレゴリスの溜りに足を取られ


 その瞬間に怪鳥の嘴が彼の頭部をもぎ取った。




 

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