魔導学園入学Ⅰ
更新が遅れてしまいました…。ごめんなさい!
今回から第3章の入学篇に入ります!
追記
文章作法を直してます。
皇歴259年~グリスト家 バルトラの自室~
メリーとのあまりにも早いお見合いが終わった後、バルトラは怒りを通り越して呆れていた。
「はぁ……。なんだよあの野郎!俺の顔はそんなに悪くないだろう!」
「怒るのそこですか。でも別に外見は悪くなかったんでしょ?」
メリー様の気持ちには気づけてないんですね……と心の中で嘆息しながらも、それを言ったらこの男は???みたいな反応しか示さないことは、彼女の中では分かりきったことである。
「まぁ、顔はどちらかと言えばタイプだったけど、かしこまった場であの態度じゃ、マイナスな印象しかないね」
今回はさすがに公爵家の嫡男らしく振舞わないといけないと感じていたし、この縁談を無駄にして父の機嫌を損なってしまえば、報酬がもらえないかもしれないとも考えていた。
だからこそ、あの場での口の悪さは余計に感じてしまっていたのだ。
「はぁ。ま、今回のお見合いは無しになっちゃったから、報酬も無いだろうけどね。トホホ……」
(次のチャンスはいつになるのやら……)
今になって少し後悔しているバルトラだったが。
「あ、それなんですが……」
「え、なにかあんの?」
次のチャンスは来なくても良さそうである。
~エランの部屋~
父の部屋に連れてこられ、エランから言われた内容は驚きのものだった。
「えぇぇぇ!メリー様との縁談を承諾するぅ?!
俺のことぱっとしないとか言ってたんですよ?!」
驚きのあまりバルトラは叫んでしまう。
(というか俺も嫌なんだが……)
「クルス伯爵から是非に、ということだ。別に悪い容姿じゃなかったんだろ?」
クルス伯爵から受諾した、ということは、彼女がなにか言ったと考えるのが妥当だが、好印象なことをした覚えがない。
「そうですけど、あいつ……じゃなかった、メリー様は俺の顔を見た瞬間帰っちゃったんですよ?!なのになんでクルス伯爵は承諾したんですか?」
伯爵はもしや独断で?!とも考えたが、返ってきた答えはとても意外なものだった。
「それなんだが、なんでもクルス伯爵がメリー嬢から話を聞くと、この人以外ありえない!と散々言われたみたいでな。
その場にいた執事たちもお似合いだ、と言っていたようだ」
「そ、そうなんですか。はぁ……」
(あんの筆頭執事め、俺に嫌がらせかよ?!あいつもあいつで、なにがこの人しかありえない!だよ!俺は嫌だよぉ!!)
((いかにも嫌な顔してるな〈してますね〉、こいつ〈バルトラ様〉))
本人は心の中で紛糾したつもりだが、顔に出すぎて他の人たちにはバレバレである。
「はぁ、本当に嫌なんですが。これを受けないと報酬のアダマンタイトは無いですよね……?」
「まぁそうだな」
「はぁ……」
明らかにバルトラはへこんでいた。
アダマンタイトがもらえるのは嬉しいが、将来の生活を考えると非常にまずい。
どんな生活になるのか、想像しただけで恐ろしいのだ。
だが、救いの手は案外早く差し伸べられた。
「そういうと思っていたぞ。安心しろ。クルス伯爵との話し合いで、ある条件が付いた」
「条件?」
「あぁ。あと3カ月ほどでお前は魔導学園に入学するが、メリー嬢も入学するらしくてな。そこでお互いにより良い相手を見つける可能性もあるだろうから、卒業するまでは婚約は保留で、ということになった」
げんなりしていた顔に、一気に喜びが戻る。
「本当なんですね!?本っ当に!魔導学園卒業までにいい人を見つけられたら結婚しなくていいんですね?!」
「あぁ、お前が良い人を見つけられたら、の話だが」
「任せてください!!絶対いい人見つけますから!!」
魔導機を作る時くらいギラギラとした目つき。エランからは息子の将来が心配でたまらない。
(このくらいのやる気をいつも出してくれるといいんだがなぁ……)
いっそのこと結婚させてやろうかとも考えた父親だった。
~バルトラの部屋~
いい出会いを見つけると言うもう一つの頑張る理由が見つかったバルトラは、自室に戻り興奮しながら自身が作った設計図を広げる。
「よし、父さんから報酬のアダマンタイトの入手権をもらった。これで俺の入学試験用の魔導機が作れる!!」
魔導学園は入学試験が存在し、実技と筆記の2科目行われる。
その点数の合計によってクラスが分かれ、一番上位のクラスであるハイクラスは、レベルの高い教師がクラスに着くため自身のスキルアップに最も良い環境である。
さらに学校での拘束時間も短くなるため、貴族的行事を積極的に行いたい貴族にとっては是非入ってほしいクラスなのである。
ハイクラスの次はミドルクラスで、拘束はハイクラスほど短いわけではない。
半期に1度は長期的な外出もできるくらいである。
そして一番下になるロークラスは、『ロークラスになると外には出られない』とまで言われるほど厳しいと言われている。
バルトラがフンフフーンと鼻歌を唄いながら筆を走らせる中、ふとあることが気になり、部屋へと戻ってきたライラは質問した。
「あの。確かバルトラ様は、槍を作られるのでしたよね?」
「うん。槍の魔導化は少ないってライラから聞いたしね」
「でも、そんなに制作ばかりに気を取られて大丈夫なんですか?1年近く勉強してませんよね?」
ライラの疑問は当然のことであった。
なにしろこの男が勉学に励んでいる所を見ていないのである。
しかもここ最近は、設計図を走らせてばかり。
だが、この男は何を言ってるんだと言わんばかりの顔をしていた。
「え?筆記はぶっちゃけ簡単だよ。
クラス決めで大事なのは実技だからね」
(なんでこんなに簡単そうに言うんですかね!?仮にも試験ですよ?!)
あくまで筆記試験はお飾りだと言う主人に、彼女は不安になったが、この坊ちゃんは注意しても聞かないと思い話題を変えた。
「はあ……。それで?実技が大事っていうのはどういうことです?」
「あぁ。実技は厳密なルールは無くて、ただ一つだけ。 魔導都市にとって良いか、ってものなんだ」
あまりにもざっくりしたルールだが、それを聞いてライラは納得した。
「へぇー。じゃあ魔導化した槍が魔導都市にとって良いから、作ろうと思ってるんですね」
「そうそう」
しかし、彼女は心配性。またもや気になってしまう。
「でも、それだけじゃインパクトに欠けませんか?
なんかパッとしない……、みたいな」
野暮な質問かと思ったが、バルトラはそれを見透かしていたかのように笑う。
「いい質問だライラ。俺もそう思ってたから、もう一つ作ったんだ。
誰もしなかったことをね」
いかがでしたか?
第3章は6話ほどで変わる予定にしているのでよろしくお願いします!
感想やブクマ等、随時受け付けてますので、よろしくお願いします!




