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マギアス〜魔を求めるモノ〜   作者: ピロシキまん
エピソードⅠ〜それぞれの時間〜
12/132

レージの準備Ⅰ

お待たせしました!

レージ篇に入ります!


5/20 17時26分 「理解」についての文章を加えています。


9月12日

文章作法を直しています。

 ~皇歴259年、ロスト家にて~




「お兄ちゃん。またお母さんに何も言わずに外に出ていってたよね?」

「な、なぜそれを……」

「弟だから分かるもん。まぁお母さんには言わないけどさ」


 まじか?!すげぇ忍び足で出ていった気がするんだけど……。ひょっとして俺の弟は天才か?


「フッ。さすがだライル。できた弟だぜ」

「なにカッコつけてんだっ!」

「いってぇ!!」


 弟に見透かされ、母さんに一発入れられた俺は、もう9歳になっていた。



 父さんに魔法学校があることを知らされてから5か月ちょっと。

 その日以来、俺は秘密裏に街に出てこの世界の情報とか魔法のことを知ろうと頑張っている。

 母さんと一緒に街に行くと買い物の手伝いしかやらされないから一人で行ってるんだけど、次から行けるんだろうか?


 まぁ、そんなことは後でなんとでもなるだろう。


 話を戻すが、街の人たちに色々聞いていく中で、面白い事を知れた。

 どうやらこの魔法都市以外にも、ファリストン皇国にはあと二つ都市があるらしい。



 1つ目は魔導都市エンゲニス。

 モノ作りが盛んで、魔導機っていうハイテク機器がいっぱいあるみたいだ。

 しかもとても便利。

 そんなにいいなら作り方を真似すればいいじゃんって思ったんだけど、流通してる魔導機の構造をこっちの人は理解できないらしい。

 感覚的なもんじゃ無いんだろうな。



 2つ目は魔術都市エンセリオン。

 ここは宗教が盛んな都市らしく、3人の神様を信仰する三神教の信徒が多いらしい。

 三神教自体はエンヴィシスにもあるんだけど、日本みたいに儀礼が浸透してるくらいな感じだな。


 エンセリオンの特色は魔術。

 何やら魔法とは原理が違うらしく、魔法が使える人間が魔術を使うとどちらも使えなくなってしまう、って父さんが言ってた。

 それを聞いちゃうとさすがに引いちゃったね……。

 魔法がつかえなくなるの嫌だし。

 後宗教都市ってなんか怖いと思っちゃうよな。前世と同じようなものじゃないのかもしれないけど。



 そんな感じで大まかな情報を得た俺は、自分の部屋で絶賛魔力制御の練習中だ。


「んぅぅ……!中々動いてくれねぇな!」



 魔力制御っていうのは、自分の体に流れている魔力(血とは別のやつ)を体の特定の部位に集中させるって技術のこと。

 体内の魔力はこの世界に生きる人間や魔物にはほとんど流れているもので、魔力制御ができるようになれば、<強化>っていう魔法の発現につながるみたいだ。



 でも、正直俺はあんまり好きじゃない。

 なぜかって?

 ここは魔法の世界だぞ?もっとドカーン!!みたいな派手な魔法を使いたいじゃん!って思ってるからだ。

 とはいえ軟弱すぎてもダメだなと思ってるから、毎朝ライルと話しつつ腕に魔力を集中させたりして頑張っている。


「ふぅ……。やっぱほんの少ししか動かないなぁ」


 ところで、読者(?)のみんなは気にならないかね?



『体に流れる魔力の量って、増やせるんじゃね?』と!




 正解だ!

 皆さん!増やせる方法、1つだけあるんです!いいですか?それは……


 魔力を1度に、大量に使うことらしい!


 いやー、キタコレ、って思ったね。


 でもこれが想像以上にきついやつでした……。


 よくある展開だと、魔力を体力に使うと気分が悪くなったり、気絶したりするじゃん?


 この世界はさ、全部来ちゃうのよ。





 2週間くらい前に、基礎魔法のブラストって奴を練習してたんだ。

 ブラストはただ風を発生させるだけの魔法だから、自分の部屋の窓を開けてやってたんだけど、何回か技を打つと急に強烈な疲労感と脱力感、それにめまいが襲ってきたんだ。


「ブラストぉぉ……?あ、あれ……?」


 その時点でやばくないかこれ?って思ったんですよね。


 すぐにベッドにへたり込んだけど、いつの間にかもう次の日の朝になってて。

 何故か全身筋肉痛。


「うぅ、動けねぇ……」



 もうやりたくねぇ!って叫びそうになった。


 だけど母さんや父さんが言うには、この方法でしか魔力量はのびないらしい。

 この方法自体、以前魔法都市中で流行ったらしいけど、きつすぎてみんなやらなくなったみたいだ。



 大正解だよほんとに。

 ちなみに母さんたち冒険者は生きるために、父さんは魔法の研鑽に必要だからって理由で続けてたらしい。

 ゴリラかよ。俺もやるけどね!





 そんなわけで週1で死にかけながら魔力量を増やしている俺だが、肝心の魔法はどうだって?



 心配ご無用。しっかり勉強してるよ。


 とは言っても基礎魔法以外の魔法は魔法学校に行かないとできない。

 魔法って大体イメージが大事って印象があると思うんだけど、この世界はそんなに上手くできてない。



 父さん曰く、

「レージ、魔法に必要な要素は主に3つ。・魔力を形に変えられる想像力・魔力量・()()()()()()()()()()。この3つがあって初めて魔法は使うことができるんだ」だそうだ。



 そう。1つ目は余裕でできる。

 2つ目は今死にかけながら増やしてる。

 問題は3つ目なのだ。



 この世界の事象の理解。これが非常に厄介なんだよな。


 理解っていうのはおそらく、その物事の正しい意味や内容を正しく判断すること。


 今の俺は9歳。

 まだ親の元でしか生きられないし、両親は外の世界が危険な事を知ってるから外に出てほしくはない。この世界の事象を理解する手段が少ないのだ。

 聞いただけじゃそれを理解したとは言えないからな。




 だから魔法のことを勉強するって言っても、父さんに魔法に使う魔力を抑える方法を教わったり、母さんに外の世界の様子を教えてもらったりして、魔法の下準備をしてる最中。


 そんなこんなで月日が経って今に至ってる。



 まだまだ魔法使いへの道は遠いなー。

 

いかがでしたか?

読んでいただいたように、このパートはレージのこの世界を理解することがメインになります。

(必然的に説明パートが多いです。すみません!)

しかし読んでもらえばこの世界の理解が深まるので読んでいただけると嬉しいです!

感想やブクマ等、随時受け付けてますので、よろしくお願いします!

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