いつも通りのスクランブル交差点
信号が青に変わった
瞬間、交差点には四方から人々が溢れはじめる
皆、目的の方向に向かって
振り返りもしない
反対側から来る人には、ぶつからないように気遣うけれど
後ろに歩く人、さっきすれ違った人には、もう既に無関心
信号が点滅を始める
瞬間、交差点には見えないプレッシャーが漂い出す
皆、歩く速度を上げて
ついつい、小走りになる
歩道に辿り着くまで、あともう少しのはずなのに
途中で、何かを落としてきたような、錯覚にとらわれる
信号が赤に変わった
瞬間、交差点はただの車道に変わってしまう。
時間差で、車の方向が変わるだけ
いつも通りの変わらぬ風景
あちらの方から渡ってくる前に、私の目には何が映っていたのだろう
スクランブル開始までのほんの一時、何を想っていたのだろう




