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魔法のまぎあ!  作者: みあみあ
第1話 私、入学します!
3/4

1.私、入学します!(3)

 次の日、昨日の疲れと使った魔力はもう全回復しました。


「はぁ、1日目から大分濃い日だったなー。」

「それなら2日目も濃い日になるといいね!」

「それだけは勘弁して欲しい…」


現在は登校している最中。

今日から授業が始まっていくため、しっかりと学業に集中していかないと。

そういえば、この学校の授業は魔法授業、実習が多いらしい。

それはたのしみだ。


「1限目は実習だぞ。集まって早々悪いが外へ行ってくれ。」


「いや普通に朝から外集合でよかったよね…?」


ということで早速実習だ。


「今回は移動手段として使われる箒を使って空を飛んでもらう。」


魔法使いと言ったら王道の箒飛びだ。

ちなみにこれ、結構難易度高いらしい。


「あー!難しいよこれ!」


ソルは当然苦戦する。

この箒飛び、この学校のレベルでないと学習できない…というわけでもない。

義務教育とかでもなんでもないし。


「ひとつの軸で飛ぶからね、そこそこなバランス感覚が必要になるよ。」


この難しさというのは、箒に乗って浮くと箒は重力によって重いものを下向きにするため、ぐるりと回転して人がひっくり返ることだ。

しかし、実はこれにもコツというか、裏技がある。

2本持って飛ぶと、回転軸が2つになるため、回転して下向きになる、ということがなくなるのだ。

ただし、箒をテープとかで纏めてはいけない。

そうなると再び軸が1つになるからだ。


「1本だとすごい難しいよね。」


ちなみに私は結構前にやらされた事あるので全然できる。


「無理だー!どうやるのー!?」


この状態だと、彼女は多分今日中に飛べないかもしれない。

ので、私も何かアドバイスしてみる。


「確かこれって無属性魔法とかのサポートが必要じゃなかった?」


無属性魔法とは、どの属性にも含まれていない魔法の部類。属性という攻撃をしない部類の事を指す。

例をあげれば攻撃強化、回復魔法とか。

この場合だと重力や風を必要とするが、人間には初期で使える無属性魔法というのが存在していて、この条件だと風がそれにあたる。


「本当だ!上手く浮いた!」


でも、バランス悪く落ちてしまう。

ここまで来たのなら後は感覚だけだ。


「しっかりバランスとらないと移動すらできないよ。でもいい調子、乗れただけでもいい進歩だよ。」


アドバイスの仕方とか、一対一の、いわゆるマンツーマンってやつか。

そういうタイプの教えって教育的には効率いいんだよね。


「お、リリー?お前は飛ばないのか?」

「いえ、私は彼女に飛び方を教えてた後にやろうかなと。」


しばらく頑張っている様子を見てはアドバイスをして。

そんなことをし続けていると、次第に回転すらしなくなっていったのだ。


「リリーちゃん、ど、どう!?」

「おー!浮いてる浮いてる!いいねいいね!」


教えるっていう喜びは実に良い。

私の一言で成長する瞬間というのは、達成感があって良い。

彼女は更に上達して、移動手段にしても問題なさそうなくらいになった。


「ふーっ、楽しかった!リリーちゃんも飛んでみたら?」

「うん、そうするよ。」


私も箒に跨って飛んでみる。

力の入れ具合やバランスの取り方は未だに覚えている。

だからすぐに飛べるだろう。とは思っていた。


「うわうわうわ!すっごい飛ぶじゃんこれ!!」

「リリーちゃん!?大丈夫!?」


なんとこの箒、なんと飛びやすいように改良されていたのだ。

そんなものだからいつものように飛ぶとすごい勢いで上昇してしまうのだ。

結果、普通に10mとか飛んでしまった。

感度の高さが普通の箒の数倍以上あるため、下降する時は慎重に操作した。

正直死ぬかと思った。


「これ練習用に改良されてるやつだった…」


となると、ソルの箒飛びも、まだまだ練習が必要そうだ。

なんて事をしていたら、1限目が終わってしまった。

なんて早さだ。

と言っても1限は約50分なので、まぁ早いってわけでもない。


 続いて、2限目も実習のようだ。

流石、最高魔法学校。すんごい実習量だ。

どうやら次は室内で行うみたいで、実験室なのではって思えるくらいには、容器とか色のついた液体が置いてある。


「さて、授業を始める。今回は属性について学んでいこうと思う。」


「おっと、属性ね。ソルちゃんは興味あるんじゃない?」

「あるよ!私も属性について知りたい!」


私の知っている範囲が全部だと思うが、復習も兼ねて聞いていようと思う。


「まず、この世界に存在する属性。

火、水、木。そして光と闇。

この5つの属性には、特徴のひとつとして、相性というものが存在する。

火だと水に弱いし、水は木に弱い。

木は火に弱いと、このように、これら3つの属性は三角関係のように相性が存在するのだ。

この関係から、これらの属性を3大属性と言う。」


この3つの属性は基本となるものだ。

よく属性といえば?という質問に対して返ってくるのはこの3つだろう。


「では、光と闇の相性だが、これは先程の3大属性全てに弱いが、その反面これらの属性にも強い特性を持つ。

つまり、攻撃する分には与えるダメージも大きいが、こちらが受けるダメージも大きい、ということだ。

ただし、光は闇に弱く、闇は光に弱い。

こちらも相互的に弱点が存在している。

これらを相互属性と呼び、これら5つを合わせることによって、この世界の属性というものが成り立っている。」


これらを見て光と闇って強くないのかなって思うかもしれないが、そんなことは無い。

なぜなら打たれ弱い分、出る火力も特性も強いからだ。


「最後、これら5つの属性に当てはまらない属性が存在する。

それこそが無属性。これは我々全員が使うことも可能な唯一の属性だ。

例えば、風の魔法、治癒魔法などのサポート魔法も無属性だ。


これはどの属性にも強くなく、弱くもない。相性が存在しない属性ということからも、これらは無属性と呼ばれている。」


実はこれ、原理は簡単なのだ。

これらに属性が含まれるか、属性の相性が存在するか、などで決まる。

だから無属性の判断方法というのは、案外簡単なものだ。


「続いて、我々には属性を3つ持っている。

これらは生まれた頃から決まる、というわけではなくて、7歳を過ぎてから決まるのだ。

この年齢は魔力を自らの体内に溜め込むことが可能な年齢であり、小学校に入学した頃と同等である。

だからこそ、人間は小学校に入学するタイミングをこの時に合わせていた、ということだ。」


7歳で入学する、というルールはここから来ていたのも事実。

それが違う世界の文化でも取り入れられてる、とも聞いたことがある。


「次に、属性には様々な特徴があって、それらは全て、その人の生活や性格などで決まる。


攻撃的な性格なら火を持ちやすいし、論理的な思考を持つ人なら水を持ちやすい。

優しい性格なら木を持ちやすいし、人を想う力が強いなら雷を持ちやすい。

そして、感情が激しい人なら闇を持ちやすい。

このように、我々は属性を見るだけである程度の性格などが分かる。


ただし、これらに当てはまらずにその属性を得てしまう例外も存在する。」


なので、狙った属性を持ちに行くというのは不可能に近い。

人は変わるものだ。


「自らの持つ3つの属性は、全部で10通りも存在する。

それがLeac(火と木と光)だったり、anac(木と水と闇)だったり、DromやClowだったりと、これらすべての名称は小学校とかで習った、という人もそこそこいると思われる。」


ちなみに私は全部独学で学びました。

小学校では教えられてないのよ。


「そして、これらを越えて4属性魔法を使うとどのような支障が出るか。

まず、人体に不具合が発生する。

例えば身長や体重などのステータス、五感の喪失やズレなど、数えきれないほどに存在する。

更に、最悪死に至るケースもあるため、絶対に使ってはいけない、とされている。

現在5属性魔法を使って生き残ったのは10人もいない。

それが数多くの伝承を残したオズや、世界を支配したシファ、更には最強と言われていた伝説の魔法使いであるサタンであり、これら全員が何らかの後遺症を残している。

それでも、それら全てが実際に存在するか証明されていない人物なので、存在はしない、と言っていいだろう。」


私は自分の腕を見た。

実は刺青みたいなやつと他の人に偽ってきたのだが、実はこれも実態を持たない闇でできている。

それに、ステータスには問題ない。

人間は耳から音を感じ取るが、私は頬くらいのとこから聞き取れるのだ。

見た目には何も無いのにね。

だからまぁ、実際に後遺症とかは存在するってこと。


「さて、話が長くなったな。

とりあえず今回は属性の研究だ。

グループを作って属性の組み合わせを考えてみよう。」


授業中、時々ソルちゃんの方を見たが、やはり真面目に聞いていた。

興味あったらしい。良い事だ。


 ということで始まった実習だが、今回は属性の組み合わせによる魔法を学んでいく。

戦った時にも言ったと思うが、闇を入れると追尾する攻撃になる、とか。


すると突然、外の方で爆発音が聞こえた。


「な、なに?」

「外…?」


他の人がざわつく中、私は外を見てみることにした。

するとどうだろう、体育館付近の方で爆発跡があるではないか。

教員達はその現場にかけつけるも、恐らくその犯人であろう奴が魔法を撃って攻撃していた。


「あいつ…まさか!!」


私はその犯人に見覚えしかない。

あの3色の見覚えでしかない髪の色。

暖色のような髪をした奴ら…暖色不良組ってやつだ。


「ちょ、ちょっと!?リリーちゃんどこいくの!?」

「あいつら見に行く!あいつらは今私を狙ってるはずだし!」

「ま、待ってよ!私を置いてかないでよ!」


私は廊下を駆け抜け、現場に向かう。

少なくとも不敗の記録は私によって途切れたのだ、私が後処理をしないといけない。そう思ったのだ。


「よぉ、わざわざそっちから出向いてくるとはなぁ?」

「あれからよぉ、お前を殺さぬぇと気がすまぇんだよ!」


やはり、復讐をしに来たようだ。

それも、魔悪アイテムを持参して。


この魔悪アイテムというのは、魔法の法則をひっくり返す、法を悪に染める悪魔の道具のことだ。

そのアイテムを装備すると魔力はとんでもないくらい強力になってしまう。


更に、魔力切れを起こしても眠らない。

分かりやすく言うならチート兵器、ドーピングかな。


「覚悟しろよ!!泣いても絶対ぶっ殺してやるからな!!」


どうやら相手はガッツリやる気らしい。


「そこまで堕ちたんだね。可哀想に…私悲しいよ。泣いちゃう。」


と、過度な煽りをしといて、リベンジ戦が始まろうとしていた。

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