涙の排水溝が詰まった
むかし泣いた後はすっきりとした
世界が違うものに見えた
自分が変わったと思えた
今では泣いたって嘆いたって
変わらなくなった
変わらないとわかった
悲しみは流れない
痛みは滲んでいく
傷は塞がらない
かつては泣いた後は自然と割り切っていた
心のどこかで悲しんだ自分を許していた
泣いたんだから、悲しんだんだからと
この頃は泣いた後も振り返ってしまう
自分だけのことでは無いと思えば無力感が湧き上がる
根本的には何も変わっていない、失ったものは帰ってこないと
感じるものが増えれば
その分の汚れた思い、苦しみの流血も増えてしまう
結局どこかで現実にひざまづく
行き場を失った感情は
いつの日か溢れてしまう
だけど、その時果たして傷つき果てた心に
痛みは感じられるのだろうか?