神様とのファーストコンタクト
僕が死んでから1日が経った時だった
「おはようございま〜す、目は覚めましたか?」
と聞いた事の無い方がした。
「あれ、起きてますよね?返事をして下さ〜い」
そんな声が聞こえてきたので周りを見回してみる、僕以外誰もいない、つまり僕に言っているのだろう。
「返事をして下さ〜い、務さ〜ん」
時間が経っても来ないから名指しで呼ばれてしまった。状況から考えると多分神様だろう。まぁ、死んだのだからどうなってもいいって割り切ってしまおう!
「何ですかー?というかあなたは誰ですか?」
と声をかけてみた。
「やっと返事をしてくれた、私は所謂神です。死んでしまって混乱してなくて良かった、後なんですぐ返事してくれなかったのですか?」
反応があって嬉しかったのか少し声のトーンが上がった気がする。
「そりゃ誰だって死んで知らない声がするなら混乱するでしょう、それを収めてて返事が遅れたのですからいいでしょう?」
「まぁ、そうですね。さて、死んでしまったあなたに2度目の人生を用意しました!」
2度目の人生...多分転生とかかな?
「2度目の人生って転生ですか?記憶とかはどうなるんですか?後、なんで僕なんですか?」
そう、なぜ僕なのかが分からない。
自慢ではないが、僕は平凡の塊と言っても過言ではないほどの平凡さを持っている。テストをすれば平均点を取り、体力テスト等でもThe・平均だ。そんな僕がなぜ選ばれたのだろう。
そんな風に悩んでいると
「転生か転移かは選べます、もちろん記憶は持ったままです。選ばれた理由はあなたが可哀想だったからせめて来世は楽しく過ごさせたいなという自己満足みたいなものです。」
涙を拭う真似をしながら言ってきた。
「可愛想、なんでだ?」
そう聞くと彼女は涙を拭う真似を辞め真剣な眼差しでこっちを見てきた。そして
「あなたの前世は呪われてるほど平均的で平凡でした、他の人ならば良くも悪くも何かが起こる時、あなたは何の変化もなし、ずっと平凡とつまらない人生を送っていたので、なので、来世は楽しい人生をプレゼントしようかなと思ったわけです。」
えっへんと彼女は誇らしげな表情で言ってきた。
「でも、あれが僕の普通ですから仕方がない気がしますけど。」
「ただのお節介だから、気にしないの〜」
そう言っているが多分彼女は何か隠していると思う、タダのカンだが
「何か隠してます?」
少し揺さぶってみると
「ナニモナイヨ?」
とロボットのように首をガクガクと動かしながらこっちを向いた。これは...
「隠しているんですね、わかりました。やっぱり辞めときます。」
と言った時だった、彼女は急に泣き出してしまった。しかも、なぜ泣いたのかよくわからないからタチが悪い。
これが僕達のファーストコンタクトだった。
まだ導入が続きます