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第三話 仕事

 小瀬と水島が二宮家に来た日の夕方から、たくやは片田家の上空にいた。



 片田家は二宮家と違い、純洋風の家であった。

 組織の資料によると片田は家を建てるとき、設計段階から手を加え呪術的に強くしている。



 たくやにとっては、家に張ってある結界や片田が仕掛けてあるだろう仕掛けを破ることは簡単だが、あえてたくやは破る事をせず片田に気づかれないように見張っていた。

 家の中に片田が居る事は気配で分かっていた。


(『かおり様、いかがいたしましょうか?』)

(『たくや、夜明けから行動を開始します。その間に片田が出てくることがあったら知らせて』)

 たくやは、心の中でかおりに呼びかけた。

 かおりからの返事はすぐにあり、たくやはその命令に了解の意を送るとそのまま監視を続けた。



 片田は夜明けになっても出てくる気配は無く、たくやは行動を開始した。


 かおりが片田を燻りだすために用意したのは、両手いっぱいの紙飛行機だった。

 紙飛行機といってもただの紙飛行機ではない。

 それには弱い人間なら触れれば死んでしまうほどの霊力が宿っていて、飛ばしたい方向、人間に飛んでいくものだ。


 たくやは、一定の間隔を置いて紙飛行機を幾つか片田家に向かって飛ばしていった。

 紙飛行機は真っ直ぐ片田家の方に向かっていったが、『結界』が庭に張ってあり、ただの一つも敷地内に入ることは無かった。

 しかし、その攻撃が続けば『結界』が壊れることが片田には分かっているはずだ。

 

 たくやが紙飛行機を飛ばし続けて一時間ほどがたったころであろうか、『結界』にヒビが入った。

(さて、そろそろ出て来る頃かな)

 たくやは『結界』にヒビが入ったところで攻撃をやめて様子を見た。

 しばらくするとスーツ姿の男が出てきた。

 片田だ。

 

 片田は周りを警戒しながら街の方へ歩いていった。


 たくやは片田に見つからないように、気が付かれないように尾行し始めた。

(『かおり様、片田を家から出すことに成功いたしました』)

 たくやは、かおりに呼びかけた。

(『たくや、反撃を警戒しつつ片田をこちらに誘導しなさい。ただし、一般人が巻き込まれそうになったら監視に切り替えなさい』)

 たくやは、命令を受けると行動を開始した。



 たくやは一般人に当たらないように、紙飛行機を巧妙に操り片田を人気の無い所、かおりが待っている場所に誘導して行った。


 かおりが居るのは、人気の無い広い公園だ。

 かおりは、公園の何箇所かに一晩かけて仕掛けをしていた。

 後はただ、その仕掛けに片田が掛かりその後の対応をすれば良いだけとなっていた。



 たくやは片田に誘導している事を気が付かれない様に、少し遠回りしながら公園へと向かっていった。


 かおりが警戒していた片田からの反撃は、一般人に見られたく無かったのか、人気が無くなってから始まった。

 たくやもそれに対抗する術は持っており、片田の反撃はたくやを苦戦させるほどでは無かった。



 片田は、かおりの思惑通りとは知らず、フェンスを乗り越えて公園の中に入って来た。

 公園に一歩入った時点で第一の仕掛けが発動した。

 第一の仕掛けは、周辺に結界を張り片田を一定の範囲に閉じ込め、その周りに人を近づけさせないものだ。

 

 片田は結界を確認し、出られない事が分かるとその場で地面になにやら模様を書き始めた。


 片田が模様を書き終わり、警戒態勢を取るとかおりは、隠れていた木の影から姿を現した。


「『組織』の命によりあなたを殺します」

 かおりは片田に向かって言い放った。

「開口一番に、それとは、礼儀が、なって無い小娘じゃな。わしを、そう、簡単に、倒せると、思っておるのか」

 片田は、たくやとの攻防のせいか、かなり息を切らせながら言った。

「わしが、書いた、これが分かるか?これは、ただの結界じゃない。『組織』から、外れた後、わしが独自に開発した、『陣』じゃ。そう、簡単に敗れると思うな」

「確かにその『陣』は強固なようだな」

 いつの間にかかおりの結果内に入って来たのか、たくやがかおりの横に立っていた。

「しかし、呪術的に、な」

 たくやは不敵な笑みを浮かべた。

「何を言っておる。今まで来た『組織』の術者もこの『陣』にはばばれ、わしに何も出来ずじまいじゃったぞ」

「そいつらは、三流だけだった。それだけの事、だ」

 たくやはそういい終えると、地面に転がっていた小石を片田めがけて蹴り上げた。

「なん、じゃと…」

 片田は驚愕の色をその顔に表した。

 たくやが蹴り上げた小石は『陣』に阻まれ威力は落ちたものの片田に直撃したのだ。

「お前の『陣』は確かに強力だ。ただし、『力』が篭もっていないただの『もの』に対しての効力は半分ほどの様だな」

 たくやは周りにある適当な小石を拾い始めた。

「半分とはいえ、衝撃は相当なものになります。どれだけ耐えられますか?」

 かおりは相変わらず表情の無い顔で淡々と言った。

 

 


話を広げようとしたら、収集付かなくなりました。

とりあえず切ります。

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