第八章 ノームさまが見てる
ここだけすこーし、ガールズラブ要素ありです。
「・・・・・・私ね、アイツ・・・・シレネに私が好きになった人とか恋人とか・・・全員奪われてるんだ。」
・・・・・・ラーレカフェに入ってから三分後。お互い気まずい感じで紅茶をちびちび飲んでいたら、突然ベロナちゃんからの衝撃の告白を頂いた。
「・・・・・マジか。」
「うん。」
というか、
「・・・・シレネ・・・さんとベロナちゃんって・・・・どんな関係?」
やば、一瞬シレネちゃんとかいいかけた。
「・・・幼馴染・・・兼、同室のヤツ・・・・で、」
あ、いた。同室が異性仲間。探してみれば結構いるのかもしれないな。
「一応、親友・・・・だと思ってる。」
・・・・・・・・マジかよ。親友に恋人とか好きな人奪われるって・・・・・。マンガの中だけかと思ってたよ。
「・・・・恋人奪われてるのによく親友でいられるね。」
色んな意味で凄いよ。
「・・・・・シレネには、悪気がないのかな・・・・って思うから。さっきはあんなこと言ったけどね。」
「と、いうと?」
「相手が勝手にシレネのことを好きになるから。相手はいつもシレネが誘惑してきた、っていうんだけど・・・・証拠がないし、普通に相手がシレネを一方的に好きになってシレネに迫ってるように見える。」
・・・・マジか。
「好きな人はね・・・・・シレネが私の好きな人と気づかずに好きになって恋人になってたりもよくあるんだけど・・・・。」
・・・・・親友だけに好みが似てるとか?
「シレネが、私と私の好きな人の橋渡し役になろうとするの。今回みたいに。」
・・・・・ん?
「それで、いつのまにか私の好きな人が・・・・シレネの虜になっちゃって・・・・私の方なんか見てくれなくなるの。」
「・・・・ごめん、話ぶったぎっていいかな?」
「いいけど・・・・?」
「さっきの話し方だと、
なんだか・・・・
「ベロナちゃんが・・・私のことを好きだみたいな感じになるけど、私の勘違いだよね?」
そうだと信じたい。
「・・・・・あああああああああ!!!!言っちゃったぁあああああああああ!!!馬鹿だ!私!!!この話終わったらシレネに奪われないうちに告白しようと思ってたのに!!!!めっちゃかっこ悪っ!!!!!
・・・・どうやら勘違いじゃなかったらしい。
「・・・・でね、
はい?急に随分落ち着きましたね。
「べゴニアさん。」
な、なにさ急に改まって?
「私と付き合って頂けませんか?」
・・・・・・マジか。
「この前、久しぶりに会ったときに・・・・・一目惚れしちゃって。」
その割には忘れられてたけどね。いや、忘れられてたからこその一目惚れ?
「だから・・・・ダメ?」
・・・・・・・・・。
「・・・・ごめんね。無理だや。私、一応好きな人がいるの。」
「誰っ!!!?まさか・・・・・!!!!」
「ううん、シレネさんじゃないよ。他の人。」
「・・・・・そっか。」
ごめんね。
「じゃあ、もしその人に振られたら!!私と付き合って・・・!!!」
凄い。転んでもただでは起きない。
「・・・・どっちにしても、私・・・・ビアンでもバイでもないからさ、好きになれないよ。そんなのお互い不幸になるだけだから・・・・ごめんね。」
「そんな・・・・・・。」
うっ!!!そんなウルウルした目で見つめられても・・・・!!!私は屈しないぞ!!!!
「じゃあ、バイバイ。」
私は紅茶を一気飲みしたあと自分の分の代金を置いて、カフェから立ち去った。