最終話 ???
最終話です。
『夢売り屋』って?今までの4人は?
謎が解けるといいですね。
最終話 ???
双眼鏡を目から離す。
仕事の内容は知っていたけど、こんなことになっていたとは・・・。
なかなか辛いもんだね、人間って。
ここは『夢売り屋』。
どんな店かって?残念、店じゃないのさ。
まず、夢とは言っても、眠っている時に見る夢、といったものじゃあない。
走馬灯、ってのは聞いたことはあるだろう?
死ぬ時、最期に見る幻。今までの人生がフラッシュバックする、てなもんでさ。
この『夢売り屋』の夢は、そんなもんさ。
いや、詳しくは違う。
人間が死ぬ直前、さっき見ていた4人のように、あの閉鎖した不思議空間に飛ばされ、その画面で、自分の望む未来を見るのさ。
これで少しは謎が解けたかい?
え?ますます深まった?・・・仕方が無いなあ、もう少し、説明しようか。
ここにはホンっトーに命が消える0.001秒前くらいの人間の魂のようなものが飛ばされてくる。
その人達はそれよりちよっと前の記憶はなく、フラフラしながらこの『夢売り屋』に入ってくる。
そして、よく分かっていないまま、奥にある映画館のドアみたいなのを先輩に開けてもらい、入っていく。するとあの部屋で目覚める。
先輩はその人達があたふたしている間に、あのガラクタスクリーンに望んだ未来を映し出す。
・・・彼らは最期の瞬間を終える。
簡単に言えばこうだね。え?長い?知ったこっちゃないね。
あの崩れてくる天井は死を意味しているのかな。
あ、ちなみにさっき覗いていた双眼鏡は普段は触っちゃダメだからね?
先輩が彼らの最期を上映中の間は客が来ないかちゃあんと見ていなきゃいけないんだよ。
・・・あぁ、客って言っても無意識に最期を迎えに来るだけで、何かを買っていくわけでも対価が要るわけでもない。
結局のところ『夢売り屋』なんて名前は響きの良さで決まったんだろうね、まったく適当なもんだ。
・・・え?さっきから誰に話しているかって?
うーん、誰なんだろうねぇ。
さて、そろそろ上映を終えた先輩が戻ってくる。
双眼鏡を元あったところに置く。
控えめな装飾がされた入口のドアが開く。
「『夢売り屋』へ、ようこそ!」
fin...?
今まで読んで下さってありがとうございました!