勘違いから始まる雷門事件
それは昨日午前11時すぎの場所は東京都浅草は雷門にて、外人観光客と修学旅行生によるトラブルがありました。
トラブルの発端は外人観光客が雷門前で撮影している際に、後ろからやってきた修学旅行生グループの一人が外国人観光客と衝突してしまった為であった。
外国人観光客は二人組みでアメリカの新婚のダニエルとシャーリー、若いカップルだ。
何故日本に来たかと問われれば「ニッポンとアメリカは仲良しでしょ?」と、得に何かのこだわりで来たわけではないが、どうせ日本に来たなら楽しもう精神で旅行ガイドブック片手に都内の有名どころの観光している最中であった。
一方、普段バスは一日5本程度、電車に乗り遅れたら1時間待ちは常識な田舎で暮らしている彼らにとっては都会はまさにテレビで見ていた憧れの都市、旅行も2日目で1日目の夜の深夜テンションを引きずっており典型的に羽目をはずし、前方不注意で一人の生徒が写真を撮ろうとしていたダニエルにぶつかってしまったのだ。
「オーアイムソウリー」
ぶつかってしまったのは修学旅行生であったが、ダニエルは一言修学旅行生に振り向き謝った。
そんな礼儀の良いダニエルに対し、修学旅行生もすぐさま手を合わせてダニエルに謝罪をした。しかしそこで異変で起こったのだ。
「シャーリー、今何ていったか分かるかい?」
「常識的に謝ったんじゃないの?」
「でも日本人は謝るならDOGEZA(土下座)するんじゃないのかい?」
「あらそうね」
日本語をまったく理解できない外人観光客のダニエルとシャーリーは顔を見合わせた。
修学旅行生が言った意味を常識的に考える前に、修学旅行生が見せた手を合わせたモーションから意味を考えてしまったのだ。
「謝罪じゃないなら何ていったのだろう?」
考えた結果、最終的にダニエルとシャーリーは『いただきます』と発言したと捉えてしまったのだ。
そして自分が謝ったのにいただきますと言った修学旅行生に疑問を覚え修学旅行生に本場のEnglishで質問を開始した。
訳すと
『君はお腹がすいたのか?それとも夜ご飯が楽しみなのかい?まったく愉快な子供だぜ、そうだこの子にシャッター押してもらおうじゃないか、それとどうせなら記念に一緒に写ろうじゃないか。おいシャーリーお前も何か言ってやれ』
そしてシャーリーはニコっと笑い「ええそうしましょ」と頷き
「カモンカモン」とダニエルは言いながら手招きをしながらカメラを修学旅行生に差し出しました。
けれど相手は外人で英語、ダニエルは体格が良く、当然地方から来た修学旅行生は生で外国人を見るのは初めてだった為、英語を話すダニエルに圧倒されていた。
当然意味は理解できるはずなく立っているだけでも少し恐怖心があった、そして何を行っているのか分からない修学旅行生はダニエルの質問をこう捉えてしまったのだった。
『おいお前らお前が今ぶつかったからカメラが壊れちまったじゃないか、まったく愉快な子供だぜ、修理代出してもらおうか、それとも体で払ってもらおうか?なに心配はいらないカメラの修理代が医療費に変わるだけだぜ。おいシャーリーお前も何か言ってやれ』
そしてシャーリーが獲物を見つけたように微笑み
シャーリー『お陀仏ね。雷門だけに』
と解釈、そして『ほら誰から病院にいきたいんだ?』
「カモンカモン」と死の宣告を受けたと勘違いしてしまった修学旅行生はすぐさまこの状況をまずいと判断し、最終日購入予定であった修学旅行の七不思議の最終日に購入する木刀代をそれぞれダニエルに私走って逃走してしまったのだ。
そんなシャッターをお願いしたダニエルとシャーリーは唖然とし、それの一部始終を見ていた周囲の人が警察に通報、そして数時間後に誤解は解け解決したのだった。
言葉の壁は人によって乗り越えられない物があり、そこから起こる悲劇は実に単純で、ふたを開けてみればなんて事のない世界なんです。