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2つの桜が繋がる時  作者: 犬鳴 椛子
卒業準備 昔話
44/50

3月…… 開く桜は紅くなる

 紗久羅さくらへの告白が成立した菜太さいたは学級委員長らしからぬ、歓喜をみせた。しかし、その影に潜む嫉妬心マドンナファンはそれを決して許す事はなかった。


(こんな事があってたまるか……!)

(許すまじ……学級委員長……!!)

(我らの女神マドンナ奪取つれさるとは……)

(殲滅せねばなるまい!)

(皆のモノ! 武器を持てぇえ!!)


 紗久羅をいつも追っかけファン共は1度解散した。そして、バット、箒、テニスラケット、竹刀、濡れ雑巾……と各自がそれぞれ武器を選び、学級委員長をフルボッコに出来るモノを手に取った……。

 しかし、すぐにフルボッコにしても、証拠が残ってしまうとわかっていた追っかけファン共は日を改めて、計画を練り直す事にした。


 その計画は……「学級委員長抹消おぶつはしょうどくして生き埋め計画」というモノだった。


 まず、ファン共が始めたのは穴掘りからであった、なるべく深く穴を掘り、警察犬が探しても、学級委員長おぶつの臭いすら感じさせない様にする為であった。

 ファン共はこの作業に5人がかりで2日費やした。時々、穴から出られなくなった事もあったが何とかそれらを乗り越え、無事に作業は完了した。


 次に取り掛かった作業は尾行であった。紗久羅と菜太の行動をそれぞれ分かれて、チェックする日々に3日が費やされた。バレそうになった時もあったがその3日間、1度もバレる事はなかった。

 そして、紗久羅と菜太の行動する順序は全てファン共に把握されてしまった。


 その次にファン共が取り掛かった作業は紗久羅の細かい癖についての検証であった。あまり意味が無い様に思われるこの作業だが、これがのちにとんでもない引き金になる事を菜太は未だに知る由もなかった。

 ファン共は既に彼女について色々な事を知っているが、当然ながら、全てを知っているわけではない。なので、ペンの動き・持ち方・書き方・筆圧・執筆速度・文章内容・紙の置き方など……全てを観察して、メンバーの1人がたった1日で熟達マスターしてしまった。


 そして、その熟達マスターしたモノに手紙書かせた。

 内容は『卒業式の開会式の前に裏の広場で大切なお話しがあります。お待ちしております』というモノだった。

 その手紙を可愛い封筒に入れて、封をした……


 翌日、まだ誰も来ていない学校へ来た手紙を書いたファンは学級委員長の上履きに手紙を置き、その場を立ち去った。

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