表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2つの桜が繋がる時  作者: 犬鳴 椛子
卒業準備 昔話
43/50

3月…… 大きな桜の木の下で

 とある昔の事、学校に大きな桜の木がそびえ立つ遥か前の事……


 そこは広場であった。

 しかし、広場と言うには面積の狭い所。広場というのは変だという意見が多数出た為、みんなはそこを【憩いの場】と呼ぶ様になった。

 何時いつしか【憩いの場】は友達や恋人同士の待ち合わせ場所となり、その場にいるだけでも居心地の良い場になっていた。

 そして、告白をすると5.1%の確率でフラれるとして有名な告白スポットにもなっていた。


 そんなある日、1人の少年は1人の少女を【憩いの場】に呼び出し、待っていた。

 少年の名は紗倉香さくらが 菜太さいた。彼は学級委員長を務めていた。いつも真面目で不届きモノを厳しく指導する程の言ってしまうとお節介な人である。


 そんな彼が呼び出したお相手は舞散まいちる 紗久羅さくら。彼女は副委員長を務めていた。

 彼女も真面目で不届きモノを許さないたちだが、彼女が一言注意すると一瞬で騒動が収まるという。 最早、クラスのマドンナと言っても過言ではなかった。


 そんな人気者の彼女を菜太さいたが呼び出したのだ。



 それはもちろん、告白する為に……



 しかし、菜太は真面目過ぎるせいか、遅れたくない一心で約束の1時間前に着いてしまった……

 そして、待つ事50分後……彼女の姿が見せた。真面目な彼女も10分前行動が身体に染み付いているのだろう。

 約束の10分前に到着したのだった。


紗倉香さくらがく~ん? ごめんなさい、待たせてしまいましたか?』

「い、いぃいいっいえっ、いぇっ!? ままままま、待ってなんていませんよぉ!?? 断じてね!? うん!」


 明らかに誤魔化し切れていない様子を見て、紗久羅さくらは微笑した。


『うっふふ……いつも厳しい紗倉香くんがこんなに焦っているって事は~?』


 紗久羅は中腰になり、背中で両手を軽く組むと菜太の上目使いで見つめた。


「ぇ、ぇえっっっと……ですね……? その……ぼ、ぼくは……ぼくはっ……!!」

『んっ? ぼくは……何でしょうか……?♪』


 彼女は微笑みながら、彼へ少し意地悪をした。


「んぉぇっ……!? ぉぇえ……っと……ですね……そのぼくは……」

『その先が気になりますねぇ~? 教えてください♪』


 紗久羅は普段、真面目な学級委員長がアタフタする姿を見て、楽しくなった。そして、その姿が何だか愛らしくも見えた。


『ほら、いつもの様にビシッと言ってくださいよ? 学級委員長の紗倉香くん♪』

「だ、だからですね……その……」


 アタフタした中、菜太は意地で決断を済ませた。


「ま、舞散さん!! ぼ、ぼぐとぉおっ!! おちゅきあぃして下さい!!」


 緊張のあまりダイナミックに噛んでしまい、やってしまったという顔で真っ赤になる菜太。一瞬、紗久羅唖然としてしまったが……


『ぷっ……くっ、あっはははははは!! 紗倉香くんはやっぱりすごいと思うな……』

「あっ……えっ……?? あ、あの……舞散……さん……?」

『【大】がつくほど真面目な人だとずっと思ってたけどさぁ。こうやって、緊張して……それでもちゃんと告白する事が出来るんだもの。わたしに異見を唱える資格はないわ♪』

「じ、じゃぁ……舞散さん……ぼくの告白は……」

『だから……よろしいという事です!』

「あ……ははっ! ありがとうございます! 必ず幸せにしてみせます!」


 菜太の顔が満開した様な笑顔に包まれた。



 しかし、その影で一部始終を見ていたやから嫉妬しっと心を持ち始めた。それがきっかけとなり、学園史上の大事件に巻き込まれる事を2人は知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ