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2つの桜が繋がる時  作者: 犬鳴 椛子
卒業準備
33/50

3月12日 幡の計略

 城坂きさかはアナウンスを終えて、急いで職員室へと向かった。職員室がくさいという意味ではなく、職員室は何かがにおうと感じた城坂だったが、生徒の為に職員室を後回しにしていたのだった。


「さて……放送も終わったし、次は問題だらけの職員室に向かうとしようかな……?」


 次の行動に移そうと思った瞬間、放送室の扉が勢い良く開いた。

(ガバンッ!)


「うぉあっ!? な、なんだっ!? って、俺の担任の未湿みじめ!?」

【城坂! お前は余計な事しやがって! 我々の安全が確保出来なくなっただろうが!! どう責任取るつもりだ!?】

「責任? なんで、あんたらの安全の為に数百の生徒が犠牲にならないといけないんだ? それこそ、後で責任が取れんのか?」

【そんな事、わたしの知った事ではないな? 自分の身は自分で守るのが人間だろ? それが出来なければ、そこまでって事だ。だが、お前には理解しがたいだろうがな?】

「えぇ、理解できませんね。自分の身は自分で守るんでしょう? であれば、あなた方はどこに集まって、身を守っておられたのでしょうねぇ?」

【な、何の話だ!?】

「自分の身は自分で守るって事は『己の身1つ』で守るって事ですよね? 何故、教師の方々は集団で隠れていたのでしょうか? 説明をしていただきたいですね」

【わ、わたしはそ……】

「【そんな所にはいなかった】とでも言いたいんでしょう? でも残念……目撃者がいますから……」


 城坂は不敵な笑みを浮かべる。流石に動揺を隠せない担任みじめは慌てて、言い返す。


【も、目撃者の1人や2人いるからどうした!? その中にわたしがいたという証拠でもあるのか!?】

「証拠? 目撃者からは……『1組以外の教師全員が桜のある所に作られた隠し小屋から出てきた』って報告が入りましてね? 俺は校内を全て周りましたけど、どこにもあんたら教師の姿はありませんでしたのでね?」

【だ、だから……なんだって言うんだ……】

「生徒での目撃者1人に探索者1人……それに目撃者の担任は桜の木に応援を呼びに校庭へ……さらに、あんたを目撃している多数の教師たち……誰か1人くらいは吐くだろうなぁ?」

【ふん、詰めが甘かったな……! 先生方は一致団結しているから、自白させようったって無駄だぞ!】

「おっ! 今の頂きました~!」


 城坂が満面の笑みで言った。突然の大声に担任みじめは何事かと思った。


「あんたが何してたかは、さっきからずぅっと見させてもらってたよ。俺は人やモノの過去をさかのぼって見る事が出来るんでな? だから、ここに来た時からバッレバレだったって事さ~。体操座りで怯えながら座っていたんだろ? 見えた瞬間に笑いそうになったけど、何とか堪える事が出来たさ~。今にも吹き出しそう……ブフッ!」

【うわぁあっ!! や、やめろぉ!!? な、何故そんな……!?】

「さぁ? 昔からだよ? ガキの頃からずっと見えてたなぁ。あと、ここのマイクの電源さ、切ってないんだよね? 今までの話、ぜ~んぶが校舎全員に丸聴こえだったて訳です」

【えっ……? まさか……? そんなはず……!!?】


 担任みじめは電源を確認した。城坂の言う通り、全て付いていた。ここまでの会話が全生徒、全教師に聴かれた事になる。


「名前の通り、あんたって【みじめ】な男だな……」

【………】


 担任みじめは返す言葉が無かった。

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