3月12日 校内放送
「準備は整った……よし、行くぞ……」
城坂はマイクの音量を最大まで上げた。そして、午前9時になったと同時に城坂は学級委員長らしい、冷静な声で放送した。
(ぴーんぽーんぱーんぽーん)
「「皆さん、おはようございます。ぼくは学級委員長の城坂幡です。皆さんもお分かりの様に校内はパニックに陥っています。こういう時に一呼吸して、校庭へ避難してください。そして、教師の方々は生徒の誘導をお願い致します」」
『や、やっと、放送したわね……遅かったじゃないの……!』
「「教師の方々の誘導に従って、校庭へ避難してください。もし、教師の方々がいらっしゃらなければ、個人で避難をお願い致します。その時は今後、教師を意気地なしのゴミ屑扱いしてやりましょう」」
『ぶっ!? ちょっ!? それは言い過ぎでしょぉ!? 間違ってはないけどさぁ……』
問井は不意に笑ってしまった。
「「避難が完了した場合、軽傷または無傷で動けるぞって言う人材も求めています。その人は大至急、桜の木へ向かってください。副委員長が全学年の1組を桜の木から足止めしています。その中には教師もいますが、放っておけば、1組は全員、桜の肥やしにされてしまう事が分かりました。手分けして、桜の木から1組を救いましょう!」」
『委員長……ほんと、間抜けな顔してるくせに、根はしっかりしてるのよね……だから、みんなに尊敬されるのかしらね……』
少し悔しそうだが、なんだかんだで、問井も城坂を慕っていた。城坂にはそれだけの引っ張る力があるのだと思ったのだろう。
『とにかく、早く応援をちょうだいよ……流石にこれ以上は持たない……』
問井の言う通り、網を掛けているフックはもうガシャガシャといっていた。いつ外れてもおかしくはない状態だった。




