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デストビア   作者: 松平悠里
3/5

川勝奏子

暑いです

大生部とは別の高校へいけば疎遠になるだろうと思っていたが

同じ街のことだし、たまにあってはゲーセンでゲームしたり

釣りに誘われたりしていた。

もうすぐ受験準備でほとんど会えなくなるだろうから

少しだけなら面白いゲームに付き合ってやっていいとその時は思った。

夏空のもと、まだ空は明るい。

いかに必死だからといって遊びたくないわけはない。

僕は自分にいいわけをして、大生部の待つ場所へと急いだ。


大生部の指定してきたところは、最近できた巨大ショッピングモールで

その中の体験型のシューティングアトラクションだ。

内容はまったく分からないが、よくあるゾンビやら怪物に扮したスタッフと

追いかけっこするようなものだろうか。


要はおばけ屋敷進化系なのだが、おもしろいと言う評判なので一度は行きたかったので、まあのぞいてみようと思ったわけだ。


それが、僕のすべてを変えるとは思わずに、、。


ショッピングモールは近代的で新しく綺麗で、こんな街に似合わない感がするが

住民とすればわざわざ都会に行かなくとも何でも手に入り

映画やミニ水族館やミニ遊園地まであり、一つの娯楽がつまってる

平日の夕刻といえど、たくさんの人でにぎわっていた。

だからここでは学校の顔見知りとよく合うのだが


人々の流れの中、ひときわ目立つ美しい少女が前から歩いてきて

僕を認めるとこちらに歩いて来た。


川勝秦子これも中学生時代の同級生で、今高校でも同じ学年である。

黒いウエーブのかかった髪に先祖に外国人がいたのではと思わせる青い目

人間離れした美貌。

頭脳明晰で運動神経も抜群

彼女は学園の女王ともいえる位置にいて。

大生部と対抗したグループを作っていた。

僕も何度か誘われたことがある。

だが、川勝さんに憧れを抱いていた自分のあまのじゃくさで

彼女に近寄ることさえできないでいた。

まあ、所詮僕なんかに声をかけるのは大生部への嫌がらせ程度に思ってたのだが


「那須くん、こんににわ」

川勝さんの青い目で見つめれると僕は自分で何と返答していいのかあせってしまう、コミュ能力の低さを思わす呪ってしまう

「こ、こんにちわ」

無愛想に聞こえたかな、声が少し震えてしまった気がする。

「これからどこかへ出かけるの?私は服を買いに来た帰りだけど」

 もしかして何かあとに続くんだろうか、お茶でもとか何とか、、

いやいや、川勝さんとお茶なんてたぶんありえないし、待ち合わせがあるので

 もしそんな奇跡があっても無理だ。

 僕には好きな女の子を優先する度胸がない。

「えーっと、友達とゲーセンで待ち合わせしてるんで」

 当り障りのない答えをしたと思うのに、川勝さんは察したように言った。

「ああ、大生部くんね」

「う、うんまあ」

 川勝さんはしばらくだまった。

 そんなにも大生部のことが嫌いなのか、とても難しい顔をしている。

「彼にかかわるのはやめなさい。大きなお世話かもしれないけど、

大生部君は危険な考えの持ち主よ、あなたは近づかない方がいい」

 ストレートにきてしまった。

「いや、大生部は危険とかは思わないけど、僕も受験あるし、外部受けるから

そんなにかかわりもたないし」

「そうね、東京受験だったからしら」

 川勝さんが僕の受験の目標を何故知ってるかと思うと少しうれしかった。

「彼とかかわり、彼の考えに影響されると、あなたに良くないことがおこるわ

 バタフライエフェクト、、どんな小さなこともすべては影響し合うのだから」

 川勝さんはそういうと、受験用のお守りをくれた。

「これがあなたを守ってくれるから」

 川勝さんの謎の行動に頭はパニクッたけど、こんなのをくれると言うことは

 もしかしたらと言う甘い考えが湧きあがってくる。

 大生部なんかいいやと思いはじまて時には

 もう彼女の姿は群衆の波に隠れてしまっていた。









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