幻術郷
これから毎日まじめにやりたいです。
裸電球がゆらゆれ揺れ、古びた映画館の待合室のようなそこは
酷く暗かった。
お世辞にも安全で綺麗な場所ではない。
ところどころ布がはがれたソファーに何人もの男女が疲れた顔でうずくまっている。
これからどうすればいいのか、誰も答えるものはいない。
異界なのかそれとも、夢の世界なのか
僕らは最悪の悪夢に取り込まれたのだった。
その時まで僕は平凡な毎日を過ごしていた。
退屈でありながら焦燥感を身のうち感じる毎日。
不可でありえるような
可であるようなそんな僕の人生と未来を漠然と抱きながら
夏休みを迎えようとしていた。
夏休みと言えども、高校二年の僕らには夏期講習やら、塾や受験勉強で手一杯だ。
遊びたくもあるけれど
未來への不安からそんなことはできない。
大学に入らなければ、人として一段落ちる、周囲はそんな目でみるのだ。
実際は高校を出てても才覚でアーティストとして成功したり。
技術で社長になった人もいる。
だがそんな才能のない僕は、こうやっていい大学に入り、なるべく安定企業や公務員になり
ぼつぼつと暮らしていきたいのだ。
だが、こう言う安定の暮らしってのはライバルが多いから、夏休みといえど塾の夏期講習は満員だった。
塾の勉強が終わると、もう夕暮れになっていた。
夏を少しも楽しむことのない夏休み、将来のためとはいえ少しあきあきしていたところに
学校の同級生からのメールが入ってきた。
面白いゲームをやってるんだが助けてくれないかと言うこと
この時僕は何も分かってなかった。面白いゲームがいったい何であるかと言うことを、、