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Prologue
デジャ・ヴってやつかな。
見たことあるのに思い出せない。ここまで出かかってるのに。
夜風がつめたい。
夜風?
そう、これ夜風だ。それも、この時期特有の。
どうしてって、それは……。
そっか、においのせいだ。
花の香り。
甘くて、清らかで。それで、ちょっと切ない。
物音がする。
窓開いてるんだ。
まぶた開けたら、誰かいた。
誰?
……暗くてよくわかんない。
こっち近づいてきた。
……なに? 何なの、この人?
ちょっと怖い。
でも、知ってる気がする。ずっと前から、この男の子のこと。
思い出せない。
頭がぼうっとする。
これは夢? それとも現実?
体を起こしたら何か床に落ちた。
ぱっとテレビが明るくなって、画面に色とりどりの帯と帯。
ピーっていう音が部屋をとおっていく。
男の子の顔がテレビでぼんやり光ってる。
まぶしいと思ったら目の前に携帯があった。
ここにもさっきみたいな、色、色、色。
カラフルな画面。目が痛くなりそう。
「……消さなくちゃならない。俺は……。雪花、今ここにいるお前という存在を……。消さなくちゃならないんだよっ……!」
聞いたことある。この声。見たことある。この顔。
私、この子のこと、知ってる。
――けいちゃんだ。




