序章:龍を刻む者
ドラゴンを題材に、伝奇物とヒーロー物を混ぜた作品です。
楽しんでいただけるように、頑張って書いていこうと思います。
ここは日本の首都圏近郊の海沿いの街、M市。
時は夜、満月が光り夜空を照らす中に現れたのは互いに夜空に浮かび対峙する二つの異形。
一つは紫色の髪の間から金色の鹿の角が二本生え、瞳は角と同じ金色をし顔は人と爬虫類が混ざり
紫色の鱗で覆われ開いている口からは鋭い牙が見える頭部とその首から下は
破れた学生服らしきシャツやズボンからは盛り上がり紫の鱗に覆われ漆黒の固い石の様な
爪を生やした手足や尻尾が見え全に青白い電光を纏わせている人と龍を合成した少年らしき異形。
もう一つの異形は、頭には黒いシルクハットを被り顔は髑髏で服は黒のタキシードに黒のマントと黒で
統一した紳士風の怪人。
「追い詰めたぜ黒マント、観念して縛に付けっ!!」
龍のような少年が、叫ぶと同時に怪人へ角から青白い電撃を放出するっ!!
だが、電撃が向かってきた瞬間に怪人はシルクハットのつばを右手で掴み
帽子を脱ぐと同時に電撃へと振るう。
すると、いかなる力か怪人に向けられた電撃が霧散する。
「・・・・・・いきなり攻撃とは、紳士的ではないですね公子殿?」
怪人は慇懃無礼にキザったらしく舞台俳優のように一礼して、少年に告げる。
「先手を取って攻めるは兵法の一つだ!!」
公子と呼ばれた少年は、両手を開き五指を曲げ腕を両脇に添え怪人へと向かって突進する。
「・・・・・・甘いっ!!」
怪人は、右側のマントを広げマントの内側から漆黒の巨大な手が飛び出し少年を押し止める。
「・・・・・ぐっ!!」
突進を止められた少年が呻くも、漆黒の手は少年の全身を握り込むとブンブン回転し躊躇なく海へと少年を叩き落したっ!!
・・・・・・ドボォォォォォォォン!!
少年が落下した音が、大きく激しく響く。
海へと落とされた異形の少年は、海の底に向かって沈んで行く。
だが、少年は目を開くと海の底へと自ら泳いで行く。
尾を振り足を上下に動かして行くと、裾の切れたズボンが切れる。
両腕で、シャツを切り裂いて捨て全裸になる。
全身を紫色の鱗で覆われた少年の体が、肉が骨が体内でバキボキと音を立て髪は伸び顔の下半分が鰐のように伸びてと段々と急速に人と龍が混ざった形態から100mほどの紫色の龍へと姿を変えて行く。
ここで少年の名を語ろう、少年の名は根岸龍太郎。
人と龍の間に生まれた混血児、その遺伝子に龍を刻む者。
‘‘ドラゴンコード,,の一人である。
髑髏の怪人が、空から梅を見下ろすと海面が激しく波打ち紫色の龍が空へと飛び上がって来たっ!!
『・・・・・・まだ勝負はこれからだ。』
紫色の龍が、怪人へと思念を送る。
「・・・・・・いいでしょう、第二ラウンドです。」
だが、怪人は余裕を崩さない。
二つの異形の戦いは、第二ラウンドへと突入する。